2023 Fiscal Year Research-status Report
A Clinical Study of Nutrition for the Prevention of Vitamin B1 Deficiency in the Elderly
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19K11722
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
大西 秀樹 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30275028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 泉美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20726971)
石田 真弓 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80636465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ビタミンB1 / ウェルニッケ脳症 / コルサコフ症候群 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンB1(VB1)は糖代謝に必須の補酵素であるが体内で合成できないため、体外摂取に依存せざるを得ない。しかし、体内蓄積期間が18日と短いため2~3週間の食欲低下を来たす状態で低下しやすい。VB1欠乏が続いた時に生じる病態がウエルニッケ脳症である。 この疾患の治療はVB1の経静脈的投与だが、症状に特異性が無く見落としが多い。見落としが続くとコルサコフ症候群を発症し脳に不可逆的な障害を残す。したがって、何らかの予防策が必要である。 本研究によって、これまでに計画された2つのプロジェクトの結果は以下のとおりである。化学療法を受けているがん患者におけるチアミン欠乏についての横断研究(25%程度にチアミン欠乏が確認された)と、老人ホーム入所中の高齢者におけるチアミン欠乏についての横断研究(5.8%にチアミン欠乏が確認された)を実施し、論文として報告してきた。その後も、臨床でがん患者やその家族、さらには遺族におけるVB1欠乏の症例を多く経験したため、それぞれ国際誌や学会にて報告を重ねた。さらに、研究者間でのミーティングを密に行い、自らの研究だけでなく、先行研究や発表論文サーチを通した情報アップデートにも積極的に力を入れ、必要時にはLetterの投稿にも取り組んだ。 これまでの研究発表と症例報告から、VB1欠乏の危険性について、ある程度注意喚起を行うことができたと考えている。さらに、これまでに得られた知見について、学会でシンポジウムを企画し発表する機会をすでに得ており、その会でのディスカッションを次年度の研究活動へつなげる布石とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度内にさらなる横断研究の計画・実施は困難であったが、症例報告を通して新たな知見を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、prospectiveあるいはretrospectiveな研究だけでなく、症例報告などを通してビタミン欠乏に関する詳細な報告を引き続き行っていくことで、さらなる注意喚起をおこなう。
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Causes of Carryover |
追加で実施を検討した研究については2023年度内には実施が間に合わなかったが、現在も計画が進んでいる。また研究実施準備として症例報告を検討しており、それに伴う費用を次年度使用予定である。
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Research Products
(5 results)