2023 Fiscal Year Annual Research Report
アセチル化修飾によるmTORシグナルの陰陽制御機構と老化制御
Project/Area Number |
19K11726
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
安田 邦彦 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50278446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 恭司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00255423)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞老化 / アセチル化修飾 / mTOR / Mdm20 / HDAC6 / エイコサノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
健康長寿や生活向上を目指す上で生体の老化のメカニズムの解明が必要不可欠であり、様々な寿命を制御するとされる遺伝子が同定されてきている。本研究では、なかでもインスリンを起点としたAkt-mTORシグナル系に着目し、これらの活性制御を担う分子としてHDAC6(mTOR抑制因子)とMdm20(mTOR活性化因子)の2つのアセチル化修飾関連分子によるmTORシグナル制御の詳細な分子機構について検討を行ってきた。 前年度にMdm20の細胞老化に対する影響を調べる目的でMdm20発現抑制細胞を用いてNGS解析を実施した結果、炎症時に増加するエイコサノイドの生合成系の遺伝子発現パターンに変化が認められたことから、本年度は細胞レベルでの検証を実施した。しかしながら、Mdm20発現抑制細胞で直接エイコサノイド生合成系の遺伝子発現パターンをqPCR法で調べたところ、元々の発現量が低いことあり顕著な差は見られなかった。エイコサノイドの生合成は炎症誘発時に活性化されるため、現在はもともと標的遺伝子が高発現している免疫系細胞について検討を進めている。さらに免疫システムについて検証するには培養細胞レベルよりは個体レベルでの解析が適していることもあり、今後はMdm20遺伝子欠損マウスを用いることも検討している。 一方でHDAC6がmTOR活性を抑制することからmTORを中心とした複合体、mTORC1及びmTORC2内の標的分子についても検討したが、現時点で十分な絞り込みができなかった。今後は解析方法やツールを変更するなどして、さらに同定を進める予定である。
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