2021 Fiscal Year Annual Research Report
Preventive Effect of Subaleurone Layer Persistence Milled Rice and Dewaxed Brown Rice on Pollinosis : Human Intervention Study.
Project/Area Number |
19K11745
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
上延 麻耶 長野県立大学, 健康発達学部, 講師 (00413576)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 花粉症 / ロウ層除去玄米 / QOL / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロウ層除去玄米(DBR)は、玄米表面に存在する撥水性の高いロウ糠層を取り除いた玄米である。申請者らはこれまでに、玄米の機能性を残したDBRは精白米と比較し、リポ多糖(LPS)が約100倍多く含まれること、主にトル様受容体(TLR)を介して自然免疫の中枢細胞であるマクロファージを活性化することを明らかにしている。LPSは免疫バランスをTh1優位にすることやTregを活性化することから、DBRはアレルギー性疾患の予防に有用であると期待される。玄米の最外層に存在する亜糊粉層にはマウスのスギ花粉症予防効果を有することが明らかにされている。しかし、DBRのヒトを対象とした花粉症への効果は明らかにされていない。本研究では、DBRを主食とした食事の継続が、花粉症有症者のQOLに与える効果を検証する。試験は、オープンラベル並行群間比較試験とした。試験適格者と判定された28名を無作為に対照品である精白米(WR)または試験品(DBR)の2群に分け、両群それぞれ5ヶ月間摂取した。主要評価は、日本アレルギー性鼻炎QOL標準調査票(JRQLQ NO.1)を用い、試験期間中、被験者は1週間毎に記録した。総合鼻症状薬物スコア(TNSMS)、総合眼症状薬物スコア(TOSMS)のAUC値は、WR群と比較しDBR群が有意に低かった。DBRの定期的な摂取は、花粉症の鼻、目症状や服薬状況の管理に寄与する可能性が示唆された。今後はQOL調査と併せ、客観的な評価を行い、DBRの有する花粉症症状への効果検証を目指す。
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