2022 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the clinical and societal significance of vitamin insufficiency
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19K11755
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 清 神戸学院大学, 栄養学部, 教授 (90227132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビタミン / 健康寿命 / 疾患リスク / 国民健康・栄養調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.国民健康・栄養調査の二次解析:健康寿命延伸は、健康日本21(第2次)における重要な目標であり、認知症・脳血管疾患・高齢による衰弱・骨折転倒・関節疾患など、加齢による疾患は、その重要な阻害因子である。平成29年度国民健康・栄養調査対象者のうち、骨格筋指数(SMI)の測定されている1833名(72.1±7.3歳)を解析対象とした。椅子立ち上がり不可に対し、女性でのみBMI高値が寄与し、変形性関節症との関連が示唆され、SMIに対し野菜摂取が正、白血球数が負の寄与を示し、炎症の関与が考えられた。 2.人間ドック受診者の調査:上記の研究より若い集団を対象に、生活習慣病予防に資する生活習慣及び食習慣を検討することとし、人間ドック受診者を対象とし、質問紙調査及び、生化学データを用い、生活習慣関連意識と実際の生活習慣及び食習慣との関連につき検討することとした。生活習慣改善意識において、改善を行う期間が長いほど、食塩摂取を控える対象者が多く、嗜好飲料の摂取頻度が少ない対象者が多かった。生活習慣を改善する期間が長くなることで、生活習慣が身に付き、一般的に好ましいとされる行動をとるようになっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、各種疾患患者、健診受診者、高齢者施設入所者などを対象に、ビタミンを中心とした栄養調査を行い、臨床指標とあわせ考察することにより、疾患予防や治療における、ビタミンの意義を明らかにすることを目指すものである。COVID-19のため、これら施設への部外者の立ち入りが困難となり、当初計画通りの調査が不可能となった。その対応として、可能な範囲で、規模を縮小した調査を行うとともに、厚生労働省から使用許可を得た、平成29年度国民健康・栄養調査データの二次解析を行うこととし、生活就活習慣病や高齢者疾患における栄養の役割を検討した。すなわちCOVID-19のため、現在までの進捗状況については、「やや遅れている」と評価せざるを得ないが、規模を縮小した調査、国民健康・栄養調査の二次解析などを通じて、可能な範囲で研究を遂行するとともに、積極的に総説を執筆して、ビタミンを中心とした栄養と健康増進・疾患リスクに関する情報の広報に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究がはかどるものと考えており、2つの理由がある。まずCOVID-19が5類に移行したこともあり、共同研究先施設への立ち入り・共同研究が、従来より行いやすくなったことが挙げられる。もう一点としては、2023年4月より、静岡県立総合病院リサーチサポートセンターに転勤しはことである。特定の診療科に所属せず、診療科横断的に、研究の支援を行う立場である。これまでは管理栄養士養成大学の教員という、外部の人間として病院での調査に関わっていたが、今後は病院内部の立場であり、従来よりは臨床研究が行いやすい立場になった。このような環境の変化を背景に、従来の研究フィールドに加えて、臨床栄養分野の研究をも取り込み、より幅の広い領域の研究を行いたい。基本的研究スタイルとしては、食事調査による摂取量の把握・血液検査を含む栄養状態のアセスメント・カルテ情報よりの臨床的背景の把握といったデータを収集し、多変量解析を行う。
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Causes of Carryover |
本研究は、病院・高齢者施設などとの共同研究により、ビタミンを中心とした栄養調査を行い、それと疾患リスク・病態との関連を検討することを目的とするものである。しかしCOVID-19のため、これら施設への部外者の立ち入りが困難となり、計画通りの研究を行うことができなかった。本研究においては、血液検査費用に、相当額の支出を見込んでいたため、次年度使用額を生じてしまったものである。ただしCOVID-19が5類以降となり、病院や高齢者施設との共同研究が行いやすい環境となったため、2023年度はこれまでの遅れを取り戻すべく、2022年度に予定していた内容をも含めて、研究を遂行する予定である。
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[Journal Article] Development of a predictive model for vitamin D deficiency based on the vitamin D status in young Japanese women: A study protocol.2022
Author(s)
8.Kuwabara A, Nakatani E, Tsugawa N, Nakajima H, Sasaki S, Kohno K, Uenishi K, Takenaka M, Takahashi K, Maeta A, Sera N, Kaimoto K, Iwamoto M, Kawate H, Yoshida M, Tanaka K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 17
Pages: e0264943
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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