2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の肝遺伝子発現クラスター調節因子の検討
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19K11758
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
安田 和基 杏林大学, 医学部, 教授 (80311611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / 遺伝子発現調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が先行研究「多層的疾患オミックス解析プロジェクト」にて、ヒトNASH(非アルコール性脂肪肝炎)生検肝組織の網羅的遺伝子発現解析により見出した、NASH肝において協調して発現変動する様々な遺伝子クラスターのうち、前年度に引き続き、AKR1B10とまだ機能の不明なAKR1B15を含む遺伝子群に注目した。上位シグナルとして、脂肪(パルミチン酸)や小胞体ストレス、酸化ストレス、低酸素などが同定されたが、本年度は、恒常的に過剰発現させる細胞株を用いて、この遺伝子クラスターにより発現が調節される下流遺伝子を探索した。その結果、AKR1B10、AKR1B15のいずれによってもコラーゲン遺伝子が発現誘導される可能性が見出された。ただし阻害剤を用いた実験などから、TGFβシグナル以外の調節機構が想定された。現在さらに他の下流遺伝子の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の安田が、2019年4月より国立国際医療研究センター研究所から杏林大学医学部糖尿病・内分泌・代謝内科へ移動したため、2019年度は多くのwet実験は中断を余儀なくされたが、2020年度は新型コロナウィルス(COVID-19)に関連して止むを得ず長期間研究活動を自粛せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
出来るだけ当初の計画に沿って、遅れを取り戻すべく、最大限研究を進めてゆく予定であったが、現段階では、研究計画のうち網羅的なmiRNAの探索は研究期間において完遂することは困難である。現在進めている、各遺伝子の発現調節、および機能解析を継続し、NASHの病態に関連するシグナル系に注目することで、病態の解明および細分化を試みる。
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Causes of Carryover |
2020年度には、wet実験の制限に伴い、バイオインフォマティクス解析などを進めた。しかし物品費、旅費、その他、などで繰り越しの必要が生じた。次年度は最終年度であり、当初の予定通り、物品費を中心に使用する予定である。
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