2021 Fiscal Year Research-status Report
抗酸化食品成分スルフォラファンによる潰瘍性大腸炎病態改善を目指した橋渡し研究
Project/Area Number |
19K11763
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷中 昭典 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (80272201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400672)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スルフォラファン / 潰瘍性大腸炎 / カルプロテクチン / 腸内細菌 / ブロッコリースプラウト |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 基礎実験について:2019, 2020年度に実施した動物実験結果をまとめ、Sulforaphane glucosinolate (SGS)(2,200 ~4,400 ppm)投与によりDextran Sodium Sulfate (DSS)により惹起されるマウス大腸炎が軽減されること、またその機序として、SGSによるマウス大腸粘膜の酸化ストレス応答能強化作用、及び腸内細菌叢に対する影響が炎症抑制に関与することが示唆された。以上の成績は2022年5月に開催される第75回日本酸化ストレス学会にて発表予定である。 2. 臨床試験について:2019, 2020年度に実施したマウスの基礎実験の成績を参考に、sulforapanhe 含有食品、ブロッコリースプラウトを軽症潰瘍性大腸炎患者に投与する臨床介入試験を開始した。具体的には2020年8月に本研究の実施計画書を主管施設である日立総合病院の倫理審査委員会に提出、承認された。その後、本研究の実施施設である筑波学園病院、筑波セントラル総合クリニック、及び、大森敏秀胃腸科クリニックにおける各々の倫理委員会で承認された後、各施設において被験者募集を開始、同年10月よりスプラウトの介入試験を開始した。2021年度(2021年4月~2022年3月)には、新たに12例のエントリーがあり、全体で24症例(目標50例の48%)のエントリーが完了した。これまでのところ、副反応などによる脱落症例はなく、概ね順調なペースで臨床試験が進行している。本研究は二重盲検法で実施しているため、途中でキーオープンができないため、現時点で研究結果は得られていないが、研究成果の評価は2022年度中にエントリー総数の目標達成後に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の項に記載したように、本研究における臨床介入試験はこれまでのところ概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の臨床試験は2022年度中に目標症例数50症例の実施を完了し、2022年度中にキーオープンしてデータを解析し、関連学会での発表、及び、論文化を目指したい。
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Causes of Carryover |
1.2020年度に開始した臨床試験について2021年度中の症例登録数が当初の見込みよりも少なかったため、便中カルプロテクチン測定、及び腸内細菌バランス解析に要した金額が予定金額より少なくなった。2022年度は、臨床試験の症例登録数を増やすことによって、便中カルプロテクチン測定、及び腸内細菌バランス解析のための費用が増加することが洋装される。 2.2021年度内に研究情報の収集のために出席を予定していた国内、国外学会の大部分が新型コロナウイルスの流行が継続したために、中止、あるいはオンライン開催となった。その結果、学会参加のための出張費用が大幅に減少した。2022年度は、新型コロナウイルスの流行が収束すれば、学会出張の費用が増加することが見込まれる。
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