2019 Fiscal Year Research-status Report
喘息の気道リモデリング抑制に有用なアロマテラピー精油の探索と分子メカニズムの解明
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19K11767
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
飯尾 友愛 (上野友愛) 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (80613158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴倉 美砂子 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (30314694)
宮原 信明 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
ハティポール オメル・ファルク 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (90791765) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精油 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は精油の気道の線維化に対する効果について気道上皮細胞と慢性喘息モデルマウスを用いて評価を行い、以下の成果を得た。 1.気管支上皮細胞(BEAS-2B)に精油を培地に添加し、2時間後にTGF-βでサイトカイン刺激を行った。その後、細胞からE-cadherin、fibronectinのmRNA、上清からMMP-2の発現から上皮間葉移行への精油の効果を評価した。精油は市販され、入手可能な17種類を用い、MTTアッセイを行い細胞増殖に影響のない精油濃度で添加した。上皮細胞から線維芽細胞への移行マーカーとして予定していたvimentinはコントロールとサイトカイン処置群で差がみられなかったためfibronectinを線維化のマーカーとして用いることとした。それぞれのマーカーに有意に変化のあった精油は認められなかった。 2.これまでに確立されている卵白アルブミン感作による慢性喘息モデルマウスへの精油投与効果を評価した。卵白アルブミンを2回腹腔内投与して感作し、最終感作から14日後卵白アルブミンを超音波ネブライザー3回/週で測定日まで曝露した。精油は真正ラベンダー最終感作日から濾紙に20μl添加したものを箱の蓋に貼付け20分間・5日/週吸引処置した。気管支肺胞洗浄液中の細胞分画、肺組織の膠原繊維、PAS陽性細胞について評価した。細胞分画は対照群に比べて喘息群で好酸球が有意に増加していたが、それに対して喘息+精油処置群で変化はみとめられなかった。一方で、膠原繊維面積とPAS陽性細胞数は喘息群と比べて喘息+精油処置群で有意差は付かないが減少していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
線維化についての実験は順調に進んでいるが、予定しているもう1種類のヒト正常気管支上皮細胞(NHBE)を用いた粘液産生の実験について、培養液が入手に時間がかかり開始が遅れているためやや遅れているとの判断をした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続いて細胞培養を行い、NHBE細胞について杯細胞からの粘液産生能に対する効果のある精油を同定していく。線維化への精油の効果については、マウスの実験で効果が見られたため、in vitroで効果を確認できるマーカーを再検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していたNHBE細胞培養ができなかったため培養液分の残額が生じたが、次年度に実施するため、当該費用に支出する予定である。
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Research Products
(2 results)