2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of SeP translational regulation mechanism by novel noncoding RNA -L-IST-
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19K11770
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
三田 雄一郎 同志社大学, 生命医科学部, 助教 (70609122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田所 弘子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (10770133) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | noncoding RNA / Selenoprotein P / SECIS / Translation |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に引き続き、SeP mRNAと相補的な配列を含み、SePの翻訳を特異的に抑制する新規noncoding RNA L-ISTの①L-ISTによるSeP翻訳要請に必要な配列の同定、②L-ISTを利用したSec翻訳調整による糖尿病治療法の開発を行った。 ①L-ISTによるSeP翻訳要請に必要な配列の同定 L-ISTはSeP mRNAの3'UTRとの相補的な配列だけでなく、5'側と3'側に約1000塩基の非相補的領域を含んでいる。これまでの報告から、noncoding RNAによる翻訳制御には、相同性領域以外の領域に制御領域があることが報告されている。実際に、L-ISTでも同様な制御メカニズムが存在するか解析を行ったところ、5'側と3'側の非相補的な領域をそれぞれ欠損させたL-ISTでは、SeP mRNAの翻訳を抑制することができないことから、5'側と3'側の両方にSePの翻訳を抑制するために必要配列を含んでいることが分かった。長さの異なる欠損変異体を用いた解析から、L-ISTの5'領域の501塩基から600塩基の間、3'末端から300塩基から600塩基の間にSePの翻訳を抑制するのに必要な配列を含んでいることが明らかになった。現在、より詳細な必要配列の同定を行っている。 ②L-ISTを利用したSec翻訳調整による糖尿病治療法の開発 L-ISTの発現を増加させる物質を探索した結果、抗糖尿病作用が知られているエピガロカテキンガレート(EGCG)がSeP mRNAの発現量に影響を与えることなく、L-ISTの発現を増加させることで、SePタンパク質を減少させることが明らかになった。100mg/kgのEGCGを投与したマウスでは、肝臓でのL-ISTの増加が起こり、血中のSePの減少が起こるとともに、血糖値の減少が認められた。このことから、EGCGはSeP高値の糖尿病患者に有効であると明らかになった。
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Research Products
(7 results)