2021 Fiscal Year Research-status Report
爪中副腎皮質ホルモンを用いた過敏性腸症候群の心理-生理モデルの構築
Project/Area Number |
19K11771
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅谷 渚 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90508425)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 副腎皮質ホルモン / 認知 / 行動 / 爪試料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では過敏性腸症候群(IBS)における爪中副腎皮質ホルモン(コルチゾールおよびDHEA)とIBSに特化した認知・行動的要因との関連を中心に検討することを目的とした。研究計画は本学の倫理委員会により承認されているものの、COVID-19パンデミックによる高頻度のアルコール消毒などが爪試料中のホルモン値に影響を与える可能性があるため、データ収集ができていない。したがって、現在は既存の爪試料の分析や使用する認知・行動評価尺度の妥当性検証をより精緻に行い、本研究計画をより効果的に進められるよう準備を整えている。 現在、本研究計画に含めていた爪試料からコルチゾール・デヒドロエピアンドロステロンのより精緻な妥当性検証を進めており、唾液試料および毛髪試料における値との関連から本研究計画で設定した分泌と爪試料で検出できる時期のタイムラグが妥当であることを再確認したところであり、論文化も進めている。 また、過敏性腸症候群に特化した認知・行動評価尺度(日本語版Cognitive Scale for Functional Bowel Disordersと日本語版Irritable Bowel Syndrome-Behavioral Responses Questionnaire)についても、妥当性の確認を終えた成果を論文として投稿済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19パンデミックによる高頻度のアルコール消毒などが爪試料中のホルモン値に影響を与える可能性があるため、データ収集ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは本研究計画をより効率的に推進できるよう準備を整えつつ、適切なタイミング(パンデミックの終息、生活の正常化など)を見計らってデータ収集を開始する予定である。準備について、具体的には爪試料中のコルチゾール・DHEAと認知・行動評価尺度の妥当性に関する論文の発表を目指し、また進捗によっては爪試料からIBSにかかわる他の指標(免疫指標など)の抽出についても検討をする。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックによる高頻度なアルコール消毒は爪試料中のホルモン値に影響を与える可能性があるため、データ収集が進められなかった。研究計画をより効果的に進めるための準備を整えつつ、適切なタイミング(パンデミックの終息など)を見計らってデータ収集を開始する予定である。助成金の使用計画については、関連の論文発表に必要な英文校正費や掲載料に使用し、またデータ収集が開始できる場合には謝礼の支払いに適用する。
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