2020 Fiscal Year Research-status Report
ファイトケミカルを含むインドール類縁体による難治性肺高血圧症病態制御の可能性
Project/Area Number |
19K11772
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Research Institution | Iryo Sosei University |
Principal Investigator |
斉藤 麻希 医療創生大学, 薬学部, 准教授 (40365185)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / ファイトケミカル / インドール類縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度において、インドール類縁体である 化合物A および 化合物B の投与がモノクロタリン誘発肺高血圧モデルラットの生存期間中央値を改善しうることが示された。この結果を受け、令和2年度は、用量や投与開始時期・期間などを細かく設定した上で同モデルラットを用いた予防/治療実験を進める予定であった。この実験にて生存期間延長に対する至適用量の決定をしたのち、生存分析をはじめ、右心室圧の測定や、心肺組織から抽出した total RNA および可溶性タンパク質サンプルを用いた炎症関連因子の発現変動の検出を進めることとなっていた。さらに、心肥大および線維化の有無や肺の炎症性変化について病理組織学的検討を進める予定でもあった。しかしながら、申請者の所属機関異動により、4月から研究環境が変化した上、コロナウイルス感染拡大防止策による移動制限等により必要な物品およびサンプルの移送および調達がままならず、誠に遺憾ながら、上記の実験計画はほとんど進まなかった。 9月にようやく外部業者の立ち入りが緩和されたため、実験に必要な消耗品を購入や、実験動物飼育環境の点検・補修が進み、研究環境が概ね整備できた。令和3年3月には、前任地からの研究機器ならびに凍結サンプルの移送も実現した。現環境において不足する機器類についても把握でき、購入が必要と思われるものに関しては業者に見積を依頼する等、令和3年度からの研究再開に向けた準備は順調である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、県境を跨いでの移動が制限された。それによって、前所属機関からの超低温槽および細胞株を含む凍結サンプルの移送が出来なかった。また、施設内への外部業者の立ち入りが制限され、試薬の調達なども滞った。さらに、所属機関の動物実験施設にトラブルが生じ、実験動物の飼育が出来ない状況に陥ったが、その対処も一連の感染症拡大防止策のため遅延した(令和2年12月に復旧)。
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Strategy for Future Research Activity |
超低温槽および凍結サンプルは、令和3年3月に移送が完了した。実験動物施設も使用可能な状態となった。令和3年度は、令和2年度に予定されていた実験の実施を行いつつ、同時に培養細胞を用いた心線維化に対するインドール類縁体の効果についての検討が可能か、慎重に見極め、場合によっては研究期間延長申請も視野に入れる。
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Causes of Carryover |
前述の通り、申請者異動に伴う新研究環境整備に加え、コロナウイルス感染対策による物流の制限、また動物実験施設の突発的トラブルなどにより研究活動が進捗しなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。 令和3年度は、まず新環境で不足している機器・備品(例:小動物用吸入麻酔器)の調達を行い、令和2年度に予定していた実験の速やかな再開を目指す。研究の進捗によっては、研究期間延長申請も視野に入れる。
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