2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of diet program using omega6-fatty acid, and fatty acid metabolites in elderly patients with cardiovascular disease
Project/Area Number |
19K11774
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮崎 哲朗 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30600473)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ω6系脂肪酸 / 高齢心疾患患者 / 食事プログラム / 心筋脂肪酸代謝 / MRS |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢心血管疾患患者は肉体的、精神的、社会的脆弱性を包括する概念であるフレイルの状態にある。申請者らは、若年患者と異なり高齢心血管患者においてはフレイルの一因となる低栄養状態こそ予後不良因子であることを報告している。本研究では、多施設前向き介入研究により「ω-6系多価脂肪酸ならびに脂肪酸代謝関連物質への介入が、心血管疾患患者の予後を改善するか」を解明することを目的とする。 初年度はCoronary Intendive Care Unit (CICU)に入室した種々の心血管疾患患者のデータベース作成、血液検体等の保存、解析を進めている。その中で、本邦におけるフレイル患者の新たな評価法である基本チェックリストの確立(Geriatr Gerontol Int. 19:287-292,2019)、 骨格筋から分泌されるマイオカインデあるfollistatin-like1が心血管疾患の予後に関連すること(PLoS One. 14:e0216297,2019)を見出し論文化している。また動物実験として、高齢マウスに対して酸化ストレスがミトコンドリア代謝障害を起こし筋肉の萎縮につながる可能性(Geriatr Gerontol Int. 20:78-84,2020)についても論文化している。また本研究のデータベースは多施設共同研究の一部ともなっており、その中で高齢者と若年者の左室収縮能が保たれた心不全患者における予後の違い(J Am Geriatr Soc. 67:2123-2128,2019)、非高血圧心不全患者における薬物療法の影響(J Hypertens. 37:643-649,2019)についても論文化している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CICUでのデータベース作成、血液検体保存、脂肪酸代謝に関わる長鎖脂肪酸等の各種測定は順調である。疾患群におけるMRSによる心筋内中性脂肪測定がやや遅れているが、測定に関わる大学院生、スタッフが増加したことにより、今後進捗していくと考えている。 また現在、急性心血管疾患患者の予後規定因子となりうるせん妄発症と脂肪酸バランスを含んだ栄養状態に関する調査を行っており、学会発表ならびに論文化を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究に関しては、予定どおりCICU入院患者においてω6系脂肪酸代謝に関わる栄養素の測定を継続、解析をしていく。当初の研究目的では、これらのω6系脂肪酸及びそれに関わる栄養素を是正する食事プログラムを作成することとなっているが、それに加え心臓リハビリテーションがこれらの栄養素にどのような影響を与えるかも考察する。 また現在、急性心血管疾患患者の予後規定因子となりうるせん妄発症と脂肪酸バランスを含んだ栄養状態に関する調査も行っており、せん妄発症が治療介入効果のサロゲートマーカーに成り得るかを検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)当該年度に関しては、科学研究費の他に奨学寄付金を取得できたため、当初科学研究費から捻出する予定であった物品購入、旅費にあてることが可能となった。そのため、その額に相当する繰越金が発生した。 (使用計画)物品費、人件費に関しては、研究協力を行う大学院生、スタッフの増員が決定したため、統計解析用PC、統計解析ソフトの追加購入を行い、データベース作成補助者に対する人件費に使用する予定である。旅費に関しては初年度においては学会参加は国内学会一回のみで、他の研究費使用でまかなうことが可能であった。本年度は米国心臓病学会、欧州心臓病学会参加予定であり、その渡航費用に当てる予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] 心不全を有する超高齢者患者(90歳以上)の臨床像の特徴2019
Author(s)
塚本茂人, 新家俊郎, 原田和昌, 宮崎哲朗, 宮本貴庸, 香坂俊, 松下健一, 飯田圭, 武井眞, 松田淳也, 岩崎陽一, 山本良也, 進藤彰人, 竹村和紀, 木庭新治, 白石泰之, 長友祐司, 神馬崇宏, 山本剛, 長尾建, 高山守正
Organizer
第83回 日本循環器学会学術集会
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[Presentation] 外来患者の利尿薬中断は心不全の代償期において考慮すべきである2019
Author(s)
宮本貴庸, 原田和昌, 宮崎哲朗, 香坂俊, 飯田圭, 矢川真弓子, 松下健一, 武井眞, 松田淳也, 岩崎陽一, 長友祐司, 細田徹, 白石泰之, 山本剛, 長尾建, 高山守正
Organizer
第83回 日本循環器学会学術集会
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[Presentation] 救急搬送を要した心不全再入院患者における受療遅延 CCUネットワークデータベースからの解析2019
Author(s)
武井眞, 原田和昌, 白石泰之, 香坂俊, 宮崎哲朗, 宮本貴庸, 飯田圭, 谷本周三, 矢川真弓子, 松下健一, 松田淳也, 岩崎陽一, 長友祐司, 細田徹, 山本剛, 長尾建, 高橋寿由樹, 高山守正
Organizer
第39回 東京CCU研究会
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[Presentation] Relationship between skin autofluorescence levels and clinical outcomes in heart failure patients undergoing cardiac rehabilitation2019
Author(s)
Kunimoto M, Shimada K, Yokoyama M, Honzawa A, Yamada M, Matsubara T, Fukao K, Kadoguchi T, Fujiwara K, Miyazaki T, Yamamoto T, Takahashi T, Fujiwara T, Amano A, Daida H
Organizer
European Society of Cardiology 2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] Voluntary exercise associated with myokine production ameliorates cardiac remodeling and inflammation in a myocardial infarction mouse model2019
Author(s)
Kadoguchi T, Shimada K, Hamad A, Aikawa, T, Ouchi S, Kitamura K, Kunimoto M, Fukao K, Yokoyama M, Sugita Y, Shiozawa T, Matsushita S, Miyazaki T, Isoda K, Daida H
Organizer
European Society of Cardiology 2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] Lag Effect of Temperature and Atmospheric Pressure Affects the Incidents and the Manner of Acute Heart Failure2019
Author(s)
Jamba T, Yamasaki M, Shindo A, Takemura K, Iwasaki Y, Matsuda J, Yamamoto Y, Takei M, Kitano D, Shiraishi Y, Tsukamoto S, Kohsaka S, Nagatomo Y, Miyazaki T, Matsushita K, Miyamoto T, Iida K, Koba S, Otsuka T, Harada K, Yamamoto T, Nagao K , Takayama M
Organizer
American Heart Association Scientific Session 2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] Prognostic Impact of Peak Oxygen Uptake and Heart Rate Reserve in Patients After Off-pump Coronary Artery Bypass Grafting2019
Author(s)
Abulimiti A, Shimada K, Yokoyama M, Kunimoto M, Matsubara T, Fujiwara K, Aikawa T, Ouchi S, Shimizu M, Fukao K, Kadoguchi T, Miyazaki T, Shimada A, Yamamoto T, Takahashi T, Fujiwara T, Amano A, Daida H
Organizer
American Heart Association Scientific Session 2019
Int'l Joint Research