2022 Fiscal Year Annual Research Report
非必須脂肪酸システインによる動脈硬化進展メカニズムの解明及び再生血管に与える影響
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19K11775
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
加藤 洋一 順天堂大学, 医学部, 教授 (00231259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 良太 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60433786)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マクロファージ / シスチン / システイン / 酸化LDL / スカベンジャー受容体 / 泡沫化 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度までの研究成果として「マクロファージの酸化LDL取込みをシスチン(システインの代謝物)が促進する」というデータを得たため、その作用機序を解明することが新たな課題となっていた。そこで、当該年度の研究計画は①「シスチン(システインの代謝物)によるマクロファージの酸化LDL取込み促進のメカニズム」ならびに②当初から予定していた「マウス(in vivo)にてシステインの摂取量と副作用の関係のモニタリング」を実施することであった。 ①の計画に関して、スカベンジャー受容体は酸化LDLなどの変性リポタンパク質を認識する受容体である。マクロファージの泡沫細胞化に主要な役割を果たすスカベンジャー受容体はCD36とCD204(SR-A)であることが知られているが、システインおよびシスチンはこれらスカベンジャー受容体の発現量自体には影響を及ぼさなかった。次に、マクロファージの泡沫細胞化に関わる別のスカベンジャー受容体を探索したところ、一つの候補としてMarcoが浮上してきた。in vitro にてMarcoの発現量および機能に対するシステインおよびシスチンの作用を検討したところ、シスチンがMacroの発現を増加させ、マクロファージの泡沫細胞化を促進する可能性が示唆された(論文投稿中)。 一方②の計画に関して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るう中、緊急事態宣言や不測の事態による研究中断が実験動物に与える不利益を考慮し、長期的な計画が必要な「in vivo」の実験を延期することとしていたが、まん延防止等重点措置等期間の終了した令和4年3月下旬よりin vivo実験を再開した。in vivoでも、投与量・投与期間によってはシスチンがMacroの発現を増加させ、マクロファージの泡沫細胞化を促進する傾向が示されたため、現在統計的に有意な差であるかにつき研究を継続中である。
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Research Products
(1 results)