2020 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア呼吸鎖超複合体へのコエンザイムQ10輸送機構の解明
Project/Area Number |
19K11778
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加柴 美里 東京工科大学, 教養学環, 教授 (80338186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 裕雄 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (50407053)
亀田 貴寛 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80758558)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コエンザイムQ10 / 呼吸鎖超複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴いミトコンドリアの呼吸機能が低下するが,その原因は不明である.ミトコンドリア電子伝達系タンパク質群は,それぞれ独立ではなく超複合体を形成 して存在している.CoQ10も本超複合体に含まれて存在している.CoQ10の組織内濃度は,加齢に伴い減少することが報告されている.しかしながら,これらの データは細胞レベルや細胞小器官レベルトータルでのCoQ10量を解析したものであり,ミトコンドリア電子伝達系の真に電子を伝達している部位のCoQ10量や本部 位へのCoQ10輸送量が加齢により変動しているのかは不明である.本研究の目的は,ミトコンドリア呼吸鎖超複合体へいかにCoQ10が輸送されるのか,そして,そ れが加齢によりいかに変動するかの解明である. 研究2年目の本年度は、呼吸鎖複合体中のCoQ測定系の確認を中心に行った。具体的には,研究初年度には、インゲルアッセイにてスーパーコンプレックスの存在を確認していたが,これが本当に目的とするバンド,目的とするタンパク質であるかの検証を行った.検証は複合体それぞれに特異的な抗体を用いたウエスタンブロッティング手法を用いた.結果,複合体1を含む呼吸鎖超複合体の存在を確認した.複合体IIIのタンパク質と複合体IVのタンパク質もこのフラクションに含まれることを確認した.この複合体のフラクションを切り出し,ヘキサン抽出し,HPLC-ECDを用いて測定することにより,超複合体にCoQが含まれていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍にともなう大学への入室制限等によるため 特に、順天堂大学医学部との共同研究の遂行に支障がでており,次年度の検討課題とする.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者らが2年目までに確立した呼吸鎖超複合体に結合して存在しているCoQ10量の定量手法を駆使し,呼吸鎖超複合体へのCoQ10の輸送機構とその加齢による影響を解析する. 具体的には, ① 投与したCoQが細胞に取り込まれてミトコンドリアにまで運ばれることはすでに知られている.CoQが呼吸鎖超複合体にまで輸送されるのかを測定する. ② CoQの取り込みや呼吸鎖超複合体への輸送におけるプロサポシンの関与を検討する. ③ 加齢や,さまざまな病態における呼吸鎖複合体中のCoQ量を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍による大学への入講制限等に伴い,研究の進展が遅れたため. 2年目に予定していた研究内容も含めて,次年度の検討課題とする. 具体的には2年目に予定していた,共同研究先 順天堂大学和田先生との動物実験が2年目に遂行できなかったので,計画を次年度に持ち越す.実験動物の臓器を用いて,ミトコンドリア呼吸鎖超複合体中のCoQ量の解析を試みる. 費用は実験動物代および,CoQ量測定に必要な電気泳動試薬,HPLC用試薬として使用予定である.
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Research Products
(1 results)