2019 Fiscal Year Research-status Report
セレン輸送タンパク質の血管内皮細胞シグナル伝達における機能
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19K11782
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
黒川 優 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (70759761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹橋 正則 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (10378862)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セレン / apoER2 / SELENOP |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は培養した血管内皮細胞において、SELENOPを添加すると発現量が変動した遺伝子の解析をすすめた。これらの遺伝子発現の変化にSELENOPのセレンが必要ではないことを明らかにした。そこで、上記のApoER2のシグナル伝達においてSELENOPがかかわる細胞外構造の解析を行った。HEK293T細胞でN末端側にタグを融合し、セレノシステイン残基をシステイン残基に置換したSELENOPをApoER2のリガンドとして調整した。C末端側にGFPを融合したApoER2とSELENOPの結合はウエスタンブロット解析で検出した。ApoER2に部位特異的変異を導入し、SELENOPが結合するアミノ酸残基を複数特定することに成功した。この特定のアミノ酸残基を既報の結晶構造解析データと照らし合わせて、SELENOPの結合に重要な複数のインターフェースを明らかにすることができた。またSELENOPとの親和性を解析することに成功し、弱く相互作用するアミノ酸残基を特定した。ApoER2をノックダウンした細胞にSELENOPとの親和性が低下したApoER2の変異体を発現させることに成功した。この細胞を使い、SELENOPを添加した場合に変動した遺伝子の発現量の変化を測定した。今後はApoER2の細胞外ドメインに部位特異的変異をいれ、SELENOPが関わるApoER2のシグナル伝達に必須のドメインを解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞培養、結合解析もすでに確立した方法をとっているため、解析方法について問題は生じなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
SELENOPとapoER2の細胞外ドメインがどのように相互作用し、細胞内にシグナル伝達をおこなっているのか解析する。
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Causes of Carryover |
本年度は細胞培養によるサンプル調整が順調であったため、培養に必要な材料が少なくなった。
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