2021 Fiscal Year Research-status Report
Plasma ghrelin levels in pediatric patients with severe motor and intellectual disabilities as nutritonal physiology
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19K11783
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
銭谷 昌弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40643531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大植 孝治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50314315)
野瀬 聡子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90467564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グレリン / 重症心身障害児 / 小児 / 栄養 / 安静時エネルギー消費量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、我々は経管栄養管理中の重症心身障害児40例(うち脳性麻痺患児は20例)を対象とし、早朝空腹時採血にて血中グレリン濃度(fmol/mL)を測定し、身体計測や血液検査から得られた各栄養指標、安静時エネルギー消費量(REE)との相関をSpearman相関検定で検討した。また血中グレリン濃度からのREEの予測に関しては線形単回帰分析を用いて解析を行った。 本研究の結果、脳性麻痺患児では血中アシルグレリン、総グレリン濃度ともに体重(r = -0.717, -0.579)、体格指数(r = -0.627, -0.589)、上腕周囲長(r = -0.757, -0.564)、上腕皮下脂肪面積(r = -0.621, -0.510)と有意に負の相関を認め、体重当たりのREE(REE/BW (kcal/kg))(r = 0.894, 0.852)と有意に正の相関を認めた。また血液・生化学検査の栄養指標(白血球数、リンパ球数、総蛋白/アルブミン、コリンエステラーゼ、総コレステロール、中性脂肪、トランスサイレチン、レチノール結合蛋白、トランスフェリン、AST/ALT、クレアチニン、血糖値)との有意な相関は認めなかった。血中総グレリン濃度からのREE予測式は、REE/BW (kcal/kg) = 0.175 × 総グレリン濃度 (fmol/ml) + 15.46 (r2 = 0.625, p < 0.0001)となった。一方、筋疾患患児では血中デスアシルグレリン、総グレリン濃度ともに上腕三頭筋皮下脂肪厚(r = -0.857, -0.952)、上腕皮下脂肪面積(AFA)(r = -0.833, -0.786)、Z score-AFA(r = -0.738, -0.786)が有意な負の相関を認めたが、体重当たりのREEとの相関は認めなかった。 以上より、脳性麻痺患児の血中総グレリン濃度はエネルギー蓄積量と負の相関を示し、これを測定することで基礎代謝量を予想し、適正な栄養投与量の決定に有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数を達成し、重症心身障害児(特に脳性麻痺患児)における血中グレリン濃度の栄養生理学的意義について検討を行い、2021年度に論文報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、重症心身障害児(特に脳性麻痺患児)における血中グレリン濃度の栄養生理学的意義について国内のみならず国外学会でも発表を行っていく予定である。また本研究より派生した、重症心身障害児に対するセレン欠乏の合併とミキサー食の導入によるセレン欠乏症の改善効果の検討について後方視的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ流行による学会参加制限により、研究成果について発表が行えておらず、次年度に学会発表を予定している。また本研究より派生した重症心身障害児におけるセレン欠乏の現状とミキサー食導入によるセレン欠乏の改善効果に関する検討についても、論文としてまとめ、学会発表する予定である。
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Research Products
(2 results)