2022 Fiscal Year Research-status Report
Plasma ghrelin levels in pediatric patients with severe motor and intellectual disabilities as nutritonal physiology
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19K11783
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
銭谷 昌弘 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40643531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大植 孝治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50314315)
野瀬 聡子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90467564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 重症心身障害児 / 小児 / 栄養 / 安静時エネルギー消費量 / セレン / ミキサー食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、脳性麻痺患児の血中総グレリン濃度はエネルギー蓄積量と負の相関を示し、これを測定することで基礎代謝量を予想し、適正な栄養投与量の決定に有用である可能性が示唆された。また本研究では重症心身障害児の血中セレン濃度を測定しており、重症心身障害児のミキサー食併用によるセレン欠乏症の予防効果と、セレン欠乏患児へのミキサー食導入による治療効果を検討した。当科で栄養評価を施行した40例の重症心身障害児を対象とし、ミキサー食による栄養が全摂取エネルギー量の10%未満のEF (enteral formula)群(26例)と10%以上のBF (blenderized food)群(14例)の2群に分類し、セレン欠乏症の発症率、血清セレン値(μg/dL)、体重1kg当たりのセレン摂取量(μg/kg)、摂取エネルギー量(kcal/kg)を後方視的に比較検討した。またセレン欠乏患児で新規にミキサー食を導入し得た症例に対して、セレン欠乏症の改善効果と栄養内容の変化を比較検討した。その結果、セレン欠乏症はBF群でEF群より有意に少なく、血清セレン値は有意に高値を示した。セレン摂取量は2群で有意差を認めなかった。7例のセレン欠乏患児にミキサー食を導入し、栄養介入前後で血清セレンの中央値は5.6から10.7と有意に上昇した。ミキサー食による摂取エネルギー量とセレン摂取量は有意に上昇し、経腸栄養剤による摂取エネルギー量は有意に減少した。経腸栄養剤によるセレン摂取量、全セレン摂取量、全エネルギー摂取量は有意な変化を認めなかった。以上より、重症心身障害児に対して全摂取エネルギー量の10%以上のミキサー食を併用することで、セレン欠乏症の予防効果と治療効果を有する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究から派生した、重症心身障害児のセレン欠乏症に対するミキサー食の予防効果と治療効果の検討に関しても進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記研究内容に関して、第38回日本臨床栄養代謝学会で発表予定である。
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Causes of Carryover |
本研究より派生した、重症心身障害児のセレン欠乏症に対するミキサー食の予防効果と治療効果の検討についてまとめて論文化しており、次年度に学会発表する予定である。
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