2019 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病の腎線維化に食餌および運動が与える影響の検討
Project/Area Number |
19K11795
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
吉田 卓矢 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80622448)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 運動 / ウェスタンダイエット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、慢性腎臓病において運動や食餌中のエネルギー組成比率の違いが腎線維化に与える影響を明らかにすることである。近年、慢性腎臓病ではエネルギー代謝に関与するPeroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-α (PGC-1α)の発現が腎臓で低下しており、腎臓に見られる異常な脂肪蓄積や腎線維化に関与していることが報告されている。腎臓のエネルギー代謝の異常は慢性腎臓病の病態の進展にとって重要な役割を担っている可能性がある。そこで、本研究では慢性腎臓病モデル動物を用いて、運動や食餌が腎臓のエネルギー代謝に与える影響を脂質代謝に焦点を当てて詳細に検討することとした。これまでに慢性腎臓病のモデルとして腎臓の5/6を摘除するモデルが多くの研究で用いられてきたが、このモデルでは腎組織の摘除によって不可逆的に腎機能が低下するため、運動や食餌の効果を詳細に調べることが困難である。運動や食餌による腎臓への影響を調べるためには、緩やかに腎機能が低下する慢性腎臓病モデルを用いて検討することが必要と考えられた。そこで、初年度は脂質とたんぱく質を多く含む食餌、すなわちウェスタンダイエットを長期的に与えて腎臓に負担をかけて腎機能を低下させることで慢性腎臓病モデル動物が作成できるか検討した。9週齢の雄性Wistarラットを飼育環境に順化させた後、麻酔下で片腎を摘出した。1週間後からウェスタンダイエットを与え、1か月ごとに尿蛋白排泄量を測定した。その結果、片腎摘後にウェスタンダイエットを5か月間自由摂取させることにより、肥満が惹起され、さらに腎機能が低下した慢性腎臓病モデルラットを作成することができた。今後、この慢性腎臓病モデルラットを用いて運動と食餌が慢性腎臓病の腎臓に与える効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた慢性腎臓病モデルラットを作成ができたが、年度内にサンプル採取まではできなかった。しかし、運動試験はすでに開始しており、次年度5月にはサンプル採取を行うため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に作成したモデル動物を用いて12週間の長期的な運動負荷を行っている。今後サンプルを採取して実験を行う。
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Causes of Carryover |
初年度にサンプル採取ができず、消耗品の購入を次年度にすることにしたため、予算を繰り越した。次年度にサンプルを採取し実験を行うため、次年度分と合わせて実験消耗品を購入して使用する。
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