2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11801
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
今井 伸二郎 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (50629152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萱嶋 泰成 山梨学院短期大学, その他部局等, 教授(移行) (90365453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非アルコール性肝炎 / サーチュイン / 機能性食品 / アルキルレゾルシノール |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性肝炎に対する機能性食品の有用性を検証する目的でマウスを用いた評価を行った。すでに非アルコール性肝炎に有効とされている陽性対象として糖尿病治療薬ピオグリタゾンを選択し、評価対象食品としてアルキルレゾルシノールを選択した。モデルマウスとしてコリン、メチオニン欠損食投与による肝炎モデルにアルキルレゾルシノールを投与し評価した。評価項目として肝炎マーカーである血中GOT、GPT値、肝組織中の中性脂質について評価測定した。具体的にはRESEARCH DIETS社製のNASH作製用飼料A06071302(60Kcal %fat)を一定期間給餌し、誘発した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルマウス(チャールズリバー社販売C57BL/6J-NASH)を用い、アルキルレゾルシノール投与の影響を評価した。評価項目としては血漿中GOT、GPTレベル、解剖後の肝臓の脂肪量を対象とした。その結果、投与1か月で対照群と比較して有意なGOT,GPT値の低下が認められた。また、その他の評価項目としてマウス凍結肝臓組織中の中性脂質量についても効果が確認された。中性脂質の測定はトリグリセライド E-テストワコー(富士フィルム和光純薬社製)を用いて実施した。測定は同社説明書に従い実施した。対照群においては中性脂肪量が130mg/gと明確な脂肪肝の数値を示しているのに対し、アルキルレゾルシノール投与群においては40mg/g以下と有意な低下が確認された。これらの数値は正常な中性脂肪量の範囲に収まっておりこの点においてアルキルレゾルシノールによる脂肪肝、肝炎の抑制効果が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、非アルコール性肝炎の動物実験により、機能性食品としてアルキルレゾルシノールが肝炎を抑制し、各種肝炎マーカーを低下させる効果が示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回実施した評価により、ライムギ由来アルキルレゾルシノールに非アルコール性肝炎抑制効果が確認された。今後はその効果のメカニズムに関して各種遺伝子発現評価、代謝関連マーカの変動について精査する。評価方法としては、定量的RT-PCR法、酵素抗体法、ウエスタンブロッティング法を用いて評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、物品費として購入したマウスの使用匹数が予定より少なかったため、安価に購入できたため。生じた残額は次年度費用に 合算し、遺伝子発現定量に関わる、酵素抗体法試薬キット(mouse PGC-1αELISAキット)、遺伝子増幅定量キット(PrimeScript; One Step RT-PCR Kit)等を消耗品費として次年度購入する。
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