2019 Fiscal Year Research-status Report
健常高齢者におけるサルコペニア・フレイル予防因子の検討
Project/Area Number |
19K11806
|
Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (00351213)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | フレイル / 栄養 / 口腔機能 / 運動 / 精神 / ソーシャルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
Nagoya Longitudinal Study for Healthy Elderly (NLS-HE)に参加した健常高齢者のうちベースライン時にロバストであり3年後に同様の調査に参加した189名を解析した。 ロバスト群とプレフレイル群(以下;プレ群)に分け、体格、運動機能・習慣、口腔、栄養、精神、Luben Social Network Scale(LSNS-6)について、比較検討した。フレイルの判定はFriedらの定義を用いた。 ロバスト群は153名(81%)、プレ群は36名(19%)であった。体格・運動機能では男女ともに握力とModified Baecke Questionnaire (MBQ)、運動習慣がプレ群で低値を示し、男性のみ歩行速度が低値であり、女性のみ年齢が有意に高かった。口腔機能では女性のみ咀嚼力がプレ群で低値を示した。栄養食事状況ではプレ群で男性は穀類の摂取量が多く、女性は卵類の摂取量が有意に少なかった。Mini Nutritional Assessment (MNA)は男性のみ低値を示した。精神状態では、男性は痛み、女性では健康、気分、人間関係、痛みの評価がプレ群で低値を示し、 Geriatric Depression Scale(GDS)は男女ともプレ群で高値であった。LSNS-6では男性のみ社会的孤立、家族・友人関係がプレ群で低値であった。 早期から運動・運動習慣,口腔、栄養,精神状態に着目することがフレイルへの進展予防や改善につながると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2月に会場にて、複数回の対面調査を実施し、調査対象者のフォローアップ調査も概ね順調である。調査予定の項目について、ほぼ実施できている。現在、取得したデータをデータベース化している。
|
Strategy for Future Research Activity |
健常高齢者におけるサルコペニア・フレイル予防因子の検討を行う基礎データを集積できている。引き続き、多角的に調査を実施し、経年変化に着目し研究を続行する。 また、会場での対面調査に参加されなかった対象については、郵送にて、問診を行い、サポートする予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルイス感染対策の影響のため、国際学会参加が、現地発表ではなく、ライブストリーミング配信によるウェブ参加となったため。 社会状況が回復した場合、積極的に国内外への成果発信を予定している。
|