2021 Fiscal Year Research-status Report
健常高齢者におけるサルコペニア・フレイル予防因子の検討
Project/Area Number |
19K11806
|
Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (00351213)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | COVID-19 / 栄養 / 日常生活 / フレイル / 身体活動量 / ソーシャルネットワーク / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19流行における地域在住高齢者の日常生活への影響と栄養状態との関連について検討した。 Nagoya Longitudinal Follow up Study for Healthy Elderlyに参加し、解析項目に欠損があるものを除いた健常地域在住高齢者を対象とした。栄養状態の評価はMNA-SFを用いて、栄養状態良好群、低栄養リスクおよび低栄養群の2群に分類した。COVID-19流行にともなう日常生活の変化および低栄養リスクの発生要因を検討するため、年齢、BMI、居住形態、既往歴、基本チェックリスト、睡眠状況(PSQI)、シニア向け食欲調査票(CNAQ)、食事摂取状況(食品摂取の多様性得点)、社会的ネットワーク(LSNS-6)、抑うつ傾向(GDS-15)、国際標準化身体活動質問票短縮版(IPAQ)、Life Space Assessment (LSA)、老健式活動能力指標について、COVID-19流行前(2020年2月)と流行拡大後(2021年2月)で比較検討した。 解析対象者は273名(平均年齢75.2±4.4歳;女性56.8%)であった。MNA-SF による評価では、流行前は60名(22.0%:女性65.0%)が低栄養リスクおよび低栄養を呈していたのに対し、流行後には77名(28.2%:女性63.9%)と有意に増加した。流行前後において、基本チェックリスト得点、PSQI 、LSNS-6、IPAQ、食品摂取の多様性得点、LSAで有意な差を認めた。食品群別の比較では、魚介類と緑黄色野菜、果物の3食品群の摂取頻度が有意に低下した。また、年齢と性別を調整したロジスティック回帰分析の結果、LSNS-6(オッズ比1.079;P=0.028)と食品摂取の多様性(オッズ比1.164;P=0.005)が低栄養リスクと有意に関連していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、対面での調査はほぼ実施できていない。リモートでも調査可能な項目(リモート対応不可で希望者には対面で実施)および郵送によるアンケート調査は概ね順調に進んでいる。現在、取得したデータをデータベース化し、解析に取り組んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年に引き続き、健常高齢者におけるサルコペニア・フレイル予防因子の検討を行う基礎データを経年的に集積できている。引き続き、多角的に調査を実施継続し、横断的・縦断 的に研究を続行する。対面でないと取得できない項目については、状況が整えば実施を検討したい。 コロナ禍での高齢者の変化を把握し、その影響についても多面的に検討する。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、対面での調査がほぼ実施できなかったため。また、国内外の学会がWEBや誌上等開催となったり、延期となったため。
|
Research Products
(9 results)