2021 Fiscal Year Research-status Report
Theory of run-length constraint codes and combinatorial recording codes for novel high density recording
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19K11822
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鎌部 浩 岐阜大学, 工学部, 教授 (80169614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バランス符号 / 置換のインデックス符号化 / Lehmer符号 / Pacmanアルゴリズム / Knuthアルゴリズム / 符号化キャッシング / 連長制約符号 / 可視光通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
無線や有線の通信路,また記録装置の通信路では,入力できる系列を制限することによって,信頼性や伝送速度を上げることができる場合がある.そのような例として,バランス制約や連長制約がある.バランス制約のための符号は,様々な方法が提案されてきたが,近年順列の符号化するLehmer符号を用いることで,効率のよい符号を構成できることが実験的に示されていた.本研究では,この符号の性能を理論的に示し,その結果を拡張して,符号化率と符号の複雑さのトレードオフを考慮した符号の構成方法を研究している.具体的な符号の構成方法は示せているが,符号化率を理論的に示すことはできていない. 制約符号の応用として,光通信がある.制約符号を使用することで,調光制御と通信を一体化することができる.近年,Polar符号やPAC符号(Polarization-adjusted Convolutional code)のように,比較的短かい符号長で非常に性能のよい符号が提案され,それらと組合せることで,Latencyが小さく,かつ能力の高い符号が構成できるようなってきた.これまでの研究では,誤り訂正符号には新しい符号を使用しているが,制約符号としては従来のものが使用され続けている.本研究では,Polar符号やPAC符号などと組合せたときに高い性能を示す制約符号を探索することも目的としている. さらに,PAC符号で使われる畳み込み符号を,入力制約を表現する関数の一般形であるright resolving写像にすることによって性能が向上するかどうかを確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lehmer符号を用いたバランス符号の最も基本的な場合について,性能(冗長度)を理論的に厳密に証明した.その結果を用いて,符号の複雑さと冗長度がトレードオフの関係にあるパラメータとして設定できるような,符号構成法を与えた.この研究は,順調に進んでいる. 制約符号の応用として,光通信がある.特に可視光通信では,調光と通信を同時に行う必要がある.このため,調光のための符号と誤り訂正のための符号を同時に適用する必要がある.これまでの研究では,非常に簡単な制約符号が使用されてきたが,より精密な制御を可能とする制約符号の可能性を見つけた.Polar符号などの非常に強力な誤り訂正符号と組合せて使用することで,さらに強力な誤り訂正能力を持ちつつ,Latencyも小さい符号を構成できる可能性がある.現在は,そのためのプログラムを作成している段階であるが,コロナ禍によって博士課程の学生の来日が叶わず,研究は十分には進んでいない. Polar符号をさらに強力した符号として,PAC符号(Polarization-adjusted Convolutional Code)がある.この符号では,畳み込み符号を用いているが,さらに一般的なright resolving写像を用いた符号の構成を検討している.この写像は,一種の制約符号であると考えることができる.この研究は,開始したばかりであるが,光通信への応用を研究している途中で偶然発見した研究の方向であり,制約符号の理論の応用として興味がある.
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Strategy for Future Research Activity |
三つの方向で進めていく.(1)Lehmer符号を用いたバランス符号では,符号の複雑さと冗長度をトレードオフの関係にあるパラメータとして設定できるような,符号構成法の詳細化を行う.現在の方法では構成法の一部に任意性があり,その部分の意味について考察する必要があると考えている. (2)入力制約符号の理論の光通信への応用については,様々な入力制約をまず試すことを行う.今年度は博士課程の学生が来日することが確実になってきたので,プログラムを書き符号の性能の測定を行う.連長制約や重み一定符号などを適用することで,調光機能を実現する. (3)PAC符号で使用されている畳み込み符号を,より一般的なright resolving写像で置き換えることで,性能の向上を測る.理論的な面では,距離分布を求めることが必要になるので,right resolving写像との組み合わせの計算機実験の結果を見ながら,対応する写像の距離分布を求めていく予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって,予定していた博士学生が来日できず,計算機実験のためのプログラムの作成が進まなかった.このため,予定していた国際会議での発表もできず,国際学会の旅費が残ってしまった.今年度は,繰り越した予算を使用してアルバイトを雇ってプログラムを作成し計算を行うとともに,国際会議などで発表を行う予定である.
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Research Products
(2 results)