2020 Fiscal Year Research-status Report
動的ネットワークにおける動的タスクのための適応的な耐故障性を持つ分散アルゴリズム
Project/Area Number |
19K11828
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
亀井 清華 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (90434977)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 相互排除問題 / 自己安定アルゴリズム / ロボットモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,トポロジが動的に変化するネットワークにおいても十分に実用に耐える,故障耐性を持つ自己安定分散アルゴリズムの研究を目的とする.動的なネットワークでは,各計算機の参加・離脱,ネットワーク内での移動などが頻繁に起こるため,リンクの切断やメッセージの損失,外乱によるメモリ内容の改変などの一時故障が起こりやすい.そういった故障や変化に対する耐性をもつ分散アルゴリズムとして,自己安定アルゴリズムがある. 本研究では特に,解状況が動的な分散問題の一つとして,危険区域問題に着目する.危険区域問題とは,相互排除問題やk-相互排除問題,相互包括問題などを一般化した枠組みであり,危険区域に一度にアクセスするプロセスの数の上限と下限を設定する問題である.つまり,局所的(1,|N_i|)-危険区域問題というのは,隣接プロセスの中で,1つ以上が常に危険区域にアクセスし,他の1つ以上が常に残り区域にアクセスする,という状況を満たす問題となっている. これまでに設計したアルゴリズムでは,状態通信モデルといって通信に遅延がないモデルを想定していたが,これをメッセージパッシングで実装しようとすると,必要な数のプロセスが充足できないケースがあることが分かっている.そこで,今年度は,その解決に向けて,mutual inclusion問題について考察を進めた. また,通信機能などの機能を限定した場合のモデルとしてロボットモデルについても検討を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は局所的な(l,k)-危険区域問題の解決を目指す予定であったが,仮定していたモデルと実装におけるギャップに気づき,その解決を先に進めることにした.
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Strategy for Future Research Activity |
メッセージパッシングモデルによるmutual inclusion問題についての検討は終わったので,(1,|N|)-危険区域問題に拡張を行い,その後,(l,k)-危険区域問題に着手する予定である.
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Causes of Carryover |
計画していた国際会議の参加費及び旅費,論文誌掲載費についての使用が延期になっている.翌年度,国際会議の参加費及び旅費,論文誌掲載費として使用する計画である.
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