2019 Fiscal Year Research-status Report
Discrete mathematical approach for suitable coding scheme on DNA strorage
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19K11833
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
眞田 亜紀子 湘南工科大学, 工学部, 講師 (20631138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 隆博 長野県工科短期大学校, 情報技術科, 教授 (60579001)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNA / 制約符号 / データ圧縮 / 離散数学 / グラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAストレージはDNAにデータを保存する方法であり,次世代長寿命・高密度媒体として近年注目を集めている.しかし,実用化に向けては「データ書き込みや読み出しに関するコスト」や「長期保存における信頼性の確保」など解決すべき問題がある.そこで本研究では,DNAストレージ実用化に向けての信頼性やデータ圧縮の観点から,適した符号化方法を離散数学をもとにして理論的に提唱することを目的としている.
2019年度は,DNAストレージの基盤をきづくためにDNAの基礎的なところを抑えつつ,データ圧縮と制約符号の観点から研究成果の発表を行った.具体的には,1)これまでデータ圧縮の観点から議論してきた成果(例:Compression by Substring Enumeration (CSE) 法の応用)を融合させたり,DNAストレージの第一人者であるGoldmanらの符号化方法をデータ圧縮の面から考察する;2)これまで考えてきた記録媒体(CD, DVDやWrite Once Memory等)との共通点や相違点を考察する; 3) 元々あるデータ系列制約を満たしているDNA鎖をつなげた後も同様の系列制約を満たすように,繋ぎ目として考えられる系列(Bond)を提唱し,Bondが存在するための必要十分条件の提唱する;の3点に注力した.DNAに関する知見を得るとともに制約符号や離散数学の観点からDNAストレージの信頼性や符号におけるコスト削減について視野を広げる期間であったが,今後の研究方針を明らかにする重要な期間であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績概要1),2),3)を達成すべく,先ずは教科書や論文等からDNAの基本を抑えるとともにDNAストレージにおける問題点を抽出した.DNAの構造,DNAを生成する際に起こりやすい誤り(突然変異やバースト削除,挿入誤り等)やコストの問題点を列挙し,目標とする符号化の指標を決めてその基盤を築いた.研究分担者との綿密なディスカッションを通じてお互いの知見を共有させて研究成果をあげるとともに,学会等での発表を通じて有意義なフィードバックを得ることができた.
初年度であるため成果発表スピードは早いとは言えないが,DNAに関する情報を得る重要な期間であり,次年度以降,国際会議や論文発表を行う上での基礎的な部分を確立できたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,1)これまでの結果を改良すること,および2)具体的な符号化方法の提唱に注力する.1)に関しては,これまでの成果よりもデータ圧縮率を向上するための方法について考察する.実際,DNAストレージのデータ圧縮関連は昨今結果が多く出てきているため,それらの圧縮率と比較しつつ,圧縮率向上の方法を議論していく.2)に関しては,DNA保存における誤りパターンについてさらなる調査を進めるとともに,その誤りが起こらないような符号化の提唱を試みる.
1),2)どちらにおいても,ある記号列制約を満たすということがキーワードになるため,制約符号の研究を中心に研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
今年度はDNAに関する基盤を身につけるべく書籍購入や発表等に資金を利用したが,細かな打ち合わせ等はオンラインを用いたディスカッションが多かったため,予定していた打ち合わせ費が削減できた.その経費は,次年度研究関連ゼミを続けていく上での資金(打ち合わせ費や謝金)や研究発表のための学会参加費用に充てる.
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Research Products
(4 results)