2020 Fiscal Year Research-status Report
Molecular Structure Analysis using Statistic Graph Model and Its Applications
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19K11848
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 智 東北大学, 工学研究科, 助教 (10755101)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化学特性推定 / グラフ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子の化学的特性を決定づける部分構造は薬理活性の予測などに用いられる重要な特徴であるが,その発見は一般的には専門家に頼っており,統計的手法による分子の構造解析や重要な部分構造の自動抽出は未だ挑戦的な課題である.これは,分子が元素とその結合で表されるシンボリックなデータ構造であるため,主にベクトル形式のデータを扱う統計手法とは相性が悪かったことに起因している.したがって,これまで統計学的手法による真の意味での客観的な分子構造の解析は実現できていなかった. そこで本年度は,機械学習を用いて分子の化学的特性を抽出する手法を開発した.第一のモデルとして,原子の種類,結合次数,原子価,水素結合の有無などを初期特徴として,ニューラルネットワークを用いて特性推定に適した特徴を学習した.第二のモデルでは,原子間の結合に着目して,特徴抽出する手法を開発した.結合の種類として,単結合,二重結合,三重結合,芳香族結合,自身への結合の5種類を考慮した.カテゴリカルな値を用いて5種類の結合を表すことに加え,結合を表す最適な値を学習した.第三のモデルは分子の三次元構造を用いて特徴を抽出した.最後に,3つのモデルを階層的に統合した.それぞれのモデルの重要度を動的に決定する仕組みを導入することで,柔軟な特徴抽出を行うことができた.また,本研究成果を画像解析に応用することで,テキストを用いたビデオ検索の精度を向上させることができた. まとめると本年度は,機械学習によるグラフパターン解析技術の深化を達成できた.本研究の成果はこれまでほとんど扱われることのなかった機械学習によるグラフパターン解析手法を開発したものである.これは計算機科学分野における新たな基盤技術を確立するものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目の二つが完了しており,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,推定精度のさらなる向上を目指す.また,確率的グラフモデルによる所望の特性を持つ分子の創生手法を開発する.
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Causes of Carryover |
開発用サーバーを購入予定だったが,全国的な物品欠如により当該年度内の納品が困難となったため、次年度使用額から改めて購入を行う。
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Research Products
(1 results)