2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on model misspecification for longitudinal data analysis
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19K11849
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丸尾 和司 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10777999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 亮太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40835633)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトウェア / バイアス |
Outline of Annual Research Achievements |
経時的に連続的なアウトカムが測定されるランダム化臨床試験において,特定の時点における平均値の治療群間差を推測したい場合に,mixed effect models for repeated measures (MMRM)法が,しばしば主要な解析として利用される.本研究は特にMMRM法の誤特定に関する諸問題に焦点を当てている. 2019年度の研究成果は以下のとおりである: 研究代表者は,2017年にMMRM法のBox-Cox変換に基づく拡張法(Maruo et al. Stat. Med., 33, 2420-2434)を提案した.この手法では,任意の時点におけるモデル中央値の差を推測可能であり,観測値の分布形状が歪んでいる場合に有用である.2019年度に,研究代表者らは本手法のRパッケージ"bcmixed"を開発し,The Comprehensive R Archive Network (CRAN)に掲載された(https://cran.r-project.org/web/packages/bcmixed/index.html). これにより,本手法の実行化の末井が飛躍的に高まった. MMRM法では,一般に固定効果パラメータと共分散パラメータの直交性の仮定の下で治療効果を推測しているが,この直交性は多変量正規分布の特性である.ただし,誤差分布が多変量正規分布に従わない場合や,ランダム・非ランダムな欠測が存在する場合には直交性は必ずしも成り立たない.研究代表者らは,直交性を仮定することに起因して治療効果のSEにバイアスが入りうることを示し,解決法に関する統計解析プログラムを開発したうえでStat. Med.誌に掲載された(Maruo et al., Stat. Med., 39, 1264-1274, 2020).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラムパッケージのCRAN登録及び研究成果のStat.Med.誌への掲載など,既に研究成果の有名媒体での公開に至っており,進捗は順調と考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度においては,当初の予定通り,非ランダムな欠測下におけるMMRM法の特性の漸近的な検討及び公表済みのRパッケージの解説論文の執筆を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのため予定していた出張がキャンセルになったりしたため,残額が発生した.次年度において,統計的シミュレーションに用いる機材の購入に充てる予定である.
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