2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K11852
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸山 祐造 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30304728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
分寺 杏介 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40962957)
湯浅 良太 統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (90964487)
羽村 靖之 京都大学, 経済学研究科, 講師 (00964983)
星野 伸明 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (00313627)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 縮小型事前分布 / ベイズ統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間を通じて,多変量正規分布の平均ベクトルの推定問題を考えてきた。特に分散未知という設定は重回帰分析を正準化したケースとなり,現実のデータ解析でも重要である。既存研究と同様に尺度調整した平均二乗誤差を推定量の性能評価に使う。分散既知の場合と同様に,ベクトルの次元が3以上の場合に標本平均(ベクトル)が非許容的となるスタイン現象が知られている。分散既知の場合には標本平均を改良して許容的な推定量のクラスが知られている。またそのような性質をチェックするための十分条件も整備されている。一方,分散未知の場合には,標本平均を改良して許容的な推定量のクラスは,分散パラメータが局外母数となるために取扱が難しく,特に一般化ベイズ推定量で標本平均を改良して許容的な推定量は知られていなかった。さらに標本平均を改良する推定量として有名なJames-Stein推定量があるが,これも非許容的である。James-Stein推定量を改良する許容的な推定量にも研究上の関心が持たれてきた。私が1990年代に研究していた推定量は,James-Steinを改良する。2023年度も引き続きこの推定量の許容性について検討してきた。分散既知の場合との類似性がなくなり,扱いが難しい。許容性の証明には適切な狭義事前分布の列の設計が重要であり,その設計を試みたが,必ずしも良い列は得られなかった。今後の課題としたい。 関連する問題として,縮小型推定量の解釈として真のベクトル値が原点から十分離れていることが示唆されるデータであれば,縮小をしない debiased 推定量を研究した。このようなdebiased 推定量はミニマクス性を満たさないことが分かった。
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