2022 Fiscal Year Research-status Report
リスク回避型データサイエンス技術を開発するための統計的因果推論の研究
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19K11856
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒木 学 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60334512)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構造的因果モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度に引き続き、令和4年度は、(1)総合効果の推定精度を向上させる統合型推定量の開発、(2)実験データにおける潜在反応タイプの存在割合の識別可能性、について研究を行い、以下のような結果を得た。(1)について、線形構造方程式モデルのフレームワークの下で,条件付き操作変数推定量と効果復元推定量を統合した新たな総合効果の一致推定量を開発し,その統計的性質を調べた。その結果、いくつかの状況ではバックドア型推定量よりも統合型推定量のほうが優れた推定精度を持つことが明らかとなった。(2)について、原因の確率を定量的に評価することは実質科学における主要課題の一つであるが、事象間の因果関係に密接に関係する問題である。この問題に対して、令和2年度は観察研究のフレームワークの下で潜在反応タイプの存在割合の識別可能条件を提案したが,今年度は実験研究のフレームワークの下で潜在反応タイプの存在割合を定量的に評価する問題に取り組み,共変量情報を用いることで、原因の確率が推定可能となることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際会議に3本、国内統計学術誌に1本の論文が採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
日本品質管理学会テクノメトリクス研究会に参加しながら、幅広い学術的視野を取り入れるように心がけていきたい。また、異分野の研究者と共同研究を実施することで応用分野を広げていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
諸般の事情により学術学会参加を取りやめたため。現在、国内外の学術学会での発表を行うための旅費、国際学術誌に投稿するための論文校閲費用として利用することを考えている。
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