2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the analysis of longitudinal data via functional data analysis
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19K11858
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松井 秀俊 滋賀大学, データサイエンス学部, 准教授 (90633305)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統計的モデリング / 関数データ解析 / モデル選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
説明変数と目的変数のいずれか、または両方が時間等の関数として与えられたデータ間の関係を表すための統計モデルを構築する方法として、次の研究を推進した。まず、目的変数が多変量のスカラーで与えられたとき、これらに関連する説明変数をスパース制約の1つであるgroup lassoを用いて推定する方法を提案した。モデルの推定アルゴリズムおよび評価法としては、既存の方法を拡張して適用した。提案手法の有効性をシミュレーション、そして化学計量学の実データ解析に適用することで検証し,変数選択が適切に行われていることを確認した。提案手法を論文として執筆し、国際誌に採択された。 また、説明変数と目的変数が共に関数データとして与えられた関数回帰モデルに対して、同様にスパース制約の1つであるgroup MCPを用いた推定・評価法を導出した。当該研究についてもシミュレーションを行い、変数選択と予測精度を検証した。 次に、説明変数と目的変数の関係が、これらとは別の変数に依存して変化するとき,これらの関係を表す変化係数関数回帰モデルとして、従来まで考えられていた線形モデルを拡張した非線形モデルを提案した。提案したモデルに対しては、正則化法に基づく推定と、情報量規準による評価という一連の流れを導出した。当該研究については論文として執筆中である。 加えて、関数データ解析に関する最近の研究を総合報告としてまとめ、国内誌(和文)に投稿し採択された。関数データ解析は世界中で幅広く研究が行われている一方で、国内での研究は多いとはいえない。当該論文は国内における関数データ解析の普及に役立つものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関数データに基づく多変量回帰モデルに対するスパース推定については、理論評価の部分に不備があり修正に時間を要したが、数値実験および実データ解析の部分は予定通り遂行できたと考えている。また、関数データの説明変数および目的変数に対する変数選択法については数値実験に時間を要したが、間もなく論文として投稿できる予定である。 変化係数関数回帰モデルの拡張については論文の投稿はこれからだが、数値実験の目途は立っており、研究期間内に投稿することができる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
変化係数関数回帰モデルの拡張については、一致性などの理論的性質を評価し、さらにその有効性を数値実験を通して検証する。その上で論文として執筆し投稿予定である。さらに、説明変数と目的変数が共に関数データとして与えられた関数回帰モデルに対する変数選択法についても引き続き数値実験を行い、論文としてまとめ投稿を行う。 また、関数データとして与えられた複数の説明変数と、スカラーとして与えられた目的変数との関係を表す変化係数関数線形モデルに対して、適切な変数を選択するためにスパース制約を利用して推定する方法を導出する。そして、提案手法を、作物栽培のデータに適用することで、農学分野に対して有効な考察を与えられることを目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で2月から3月にかけて予定していた出張がキャンセルになったため。
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