2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Universal Theory in Constructing Objective Priors in Classical and Quantum Statistical Models
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19K11860
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 冬彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90456161)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ベイズ統計 / 情報幾何 / 量子系の統計推測 / 複素多様体 / 客観事前分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、制御分野のシステム同定でも、ベイズ的な手法が応用されており、事前分布の設定方法が問題になっている。京都大学で制御理論を専門にしている大木氏らとの議論をさらに進める上で、2019年5月6月にベイズ統計学について、および、私のこれまでの客観事前分布についての研究なども紹介し討論した。また、関連する話題として、カイ二乗ダイバージェンスを用いた客観事前分布の理論についての研究を進めており、一部を9月の連合大会で報告した。Ghoshらの一連の結果を情報幾何学的な言葉で表現し、特に、古くから知られていたα平行事前分布との関係を明らかにすることができた。
また、特に2019年中は2020年3月に情報幾何学の国際研究集会を東京で開催予定であったため、プログラム委員の一人として、開催準備にかなりの時間を費やした。国内外のすぐれた研究者を招聘し、そこで、集中的に討論する準備を行った。最終的には新型コロナで中止となったが、海外の研究者とも新たに交流し、最近の量子情報、情報幾何に関する研究の進展について精査した。その中でWasserstein距離やそのEntropy正則化による幾何学と量子系への拡張も行った。
その他、研究計画書にも記載の通り、現在、継続中である、中村ERATO特任助教 杉山氏、数理統計の専門家である広島大の伊森氏と連携している自己整合量子トモグラフィの理論と数値実装について、2019年9月に杉山氏が阪大に滞在したことで集中的に議論、数値計算の経過確認などを行った。これらに沿って現在のpreprintをブラッシュアップしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度前半は予定通り進行できた。しかし、2019年度後半は期待していた研究の進展が得られなかった。 具体的には、2020年3月に情報幾何学の国際研究集会を東京で開催、国内外のすぐれた研究者を招聘し、そこで、集中的に討論する予定であった。しかし、新型コロナにより開催中止となったため、想定していた議論ができなかった。また、共同研究も、2020年2、3月に検討していた短期滞在が実施できなかったため、そこで得られるはずだった集中的な議論ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナにより、密な研究集会ができない状況である。学会のような比較的、形式的な報告であればオンライン開催で乗り切ることができるが、もっと双方向で実りある議論を行うためには工夫が必要であろう。これらは研究業界に限らず、世界全体でも未知であり、試行錯誤していく必要がある。一方、個人で進められる作業は継続できるため、本年度は、セミナーや研究集会での研究経過報告は最低限とし、文献調査や個人での数値計算などの研究に重点をおく。
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Causes of Carryover |
2020年3月に開催予定だった情報幾何の国際研究集会が新型コロナで中止になった。その他にも研究滞在を予定しており、これらに向けて出張旅費や謝金などをかなり残しておいたため。
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Research Products
(1 results)