2021 Fiscal Year Research-status Report
因果推論の方法論に対応する正確な統計解析手法の開発
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19K11871
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
千葉 康敬 近畿大学, 大学病院, 准教授 (80362474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
因果推論の方法を用いることで、原因の結果への平均因果効果を適切に推定することができる。一方で、区間推定については、特に医学研究において推定精度を測るために必須であるが、通常用いられる統計解析手法は因果推論の方法論に対応していない。本研究の目的は、因果推論の方法論に対応する平均因果効果の区間推定法を提案することである。 これまで、結果変数が2値変数の場合の平均因果効果の区間推定法について研究を進めてきたが、重大なミスが見つかった。ここでのミスを修正するのにかなりの時間を要したが、保守的な推定法を用いることで修正案を見出すことができた。 3年目となる今年度は、結果変数が生存時間の場合への拡張の検討と修正案となる保守的な推定法の問題点等の検討を行った。 前者については、結果変数が2値変数の場合のものを結果変数が連続的な変数である生存時間に拡張するのは困難であるが、昨年度発表した平均生存期間(restricted mean survival time; RMST)に基づく予後・予測因子の探索法(Chiba, Mathematcis 2020; 8(10): 1657)と同様のアプローチを用いることによって拡張することが容易に想定できた。想定した通り、どちらの結果変数のタイプにおいても同様の形で議論を進められることがわかった。よって、これら2つの結果変数のタイプを1つの論文にまとめることにする予定である。 後者については、現在においてもモンテカルロシミュレーション等を通して検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」で記載したように、これまでの研究結果に重大なミスが見つかった。新型コロナウイルス感染症の影響で各種対応に追われたこともあり、ミスの修正にかなりの時間を費やすこととなっている。結果として、進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
修正案である保守的な推定法の問題点の洗い出しを行う。その後、論文投稿の予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、学会がオンラインでの開催となった。予定していた学会出張旅費を使用しなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。次年度使用額は、統計解析ソフトの年間ライセンス及び論文投稿費用(英文校正等)に使用予定である。新型コロナウイルス感染症は研究の進捗に遅れが生じた一因でもあるため、補助事業期間の延長を希望したい。
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