2020 Fiscal Year Research-status Report
超小型IoTデバイスに向けたナノワット・エネルギー・ハーベスティング技術の開拓
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19K11875
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 哲也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70396315)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超低消費電力集積回路 / パワーマネジメント / 極低電圧回路技術 / サイバーフィジカルシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,次世代サイバーフィジカルシステムのキーコンポーネントとなる超低消費電力パワーマネジメント技術基盤の創出に向けた基礎検討を行った. パワーマネジメントシステムの極低電圧化に関して,前年度の成果から,さらに低減させる回路構成の提案,ならびにノンオーバーラップクロック生成手法に関する集積回路技術を行った.極低電圧発振器に関しては,従来技術として提案された2つの低電圧化技術を組合せることで,さらなる低電圧化が可能であることを確認した.特に,35mVのフルオンチップ極低電圧発振器を実現した.これは世界最低動作電圧を実現するものであり,新技術創出に向けた成果である.さらに,上記の発振器はCMOSインバータの極低電圧動作を実現するものであるが,その他のCMOS論理ゲートへの適用を行った.特にNANDゲートへの低電圧化技術を検討した.NANDゲートにインバータをフィードバック接続する手法を適用することで,NANDゲートへの低電圧化が実現できることを見出した.また,NANDゲートを利用した応用回路としてノンオーバーラップ生成回路を構成し,低電圧動作を確認した.実験評価により,60mVでの低電圧化を達成した. MPPT制御技術の開拓研究についての検討を行った.従来手法では,入力側のMPPT制御手法が一般的であったが,負荷を駆動する際を考慮すると,負荷側において最大電力点で動作させる必要がある.入力側のMPPT制御では,パワーマネジメントシステムの消費電力を考慮しておらず,負荷で最大電力を消費するように制御できていない課題があった.この問題を解決するために,入力側MPPTと出力側MPPT制御技術を併用できるアーキテクチャの検討を行った.入力側MPPT制御はスタートアップ動作時に,出力側MPPT制御は定常動作時に動作させ,高効率なパワーマネジメントを実現できる見通しを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,パワーマネジメントシステムの構築,MPPT回路技術の開拓,そして充電モニタとRTCによるタイミング制御技術の開拓を目指して研究を行っている.超小型発電デバイスの出力電圧は極めて低い電圧であり,この電圧に対応した回路技術の開拓研究が不可欠である.本研究では,これまでに42mVの極低電圧で動作するリング発振器を実現した.また本技術を応用・発展させ,35mVのフルオンチップ極低電圧発振器を実現した.さらに,CMOSインバータへの適用のみならず,NANDゲートへの適用を試み,その応用回路としてノンオーバーラップクック生成回路に適用し,低電圧動作を実現した.MPPT回路技術に関しては,入力側MPPT制御回路,出力側MPPT制御回路の実現,および併用動作について動作を確認した.さらに,超低消費電力で動作するオンチップ電圧検知回路についても検討を行い,正常動作を確認した.以上より,概ね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
スイッチトキャパシタ型昇圧コンバータに,これまでに構築した極低電圧回路技術を適用する.低電圧発振器,ドライバ回路,スイッチトキャパシタ型昇圧回路を実現し,オンチップパワーマネジメントシステムを構築する.また,LSIチップを構築し,その有効性の確認を進める予定である.さらに,これまでに検討した極低電圧回路技術のさらなる低電圧化を進めることで,消費電力の低減,低電圧エネルギーハーベスティング技術の適用範囲の拡大を推進する.微弱な環境エネルギーの高効率な昇圧制御を行うため,入力型/出力側MPPT制御技術を適用し,その動作を確認していく.また,センサ応用アプリケーションの実現に向け,超低消費電力で動作するオンチップ温度センサの検討を進める.時間計測を担うRTCの動作を確認するとともに,センシングデータのデジタル化を図り,高効率な環境エネルギーシステム運用に向けた知見を収集する予定である.
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Research Products
(12 results)