2020 Fiscal Year Research-status Report
次世代車載ネットワークへの不正侵入を高速に検知する自己学習型システムの開発
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19K11881
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| Research Institution | Hiroshima City University |
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Principal Investigator |
永山 忍 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (10405491)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | プログラマブルシステム / ネットワークセキュリティ / ネットワーク侵入検知システム / 機械学習 / 論理設計 / 決定グラフ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
次世代車載ネットワークへの不正侵入を高速に検知する自己学習型システムの開発を目指し，2020年度は，オンライン学習機構のハードウェア化に向け主に以下の研究を行った．
１．学習データの圧縮法（最適化法）の検討
前年度の研究成果により，異常と判定したデータを解析することで，異常データに共通して含まれる特徴（シグネチャ）を比較的容易に導出（学習）できるようになったため，次のステップとして学習により獲得したデータの圧縮に取り掛かった．得られた特徴から不要部分を削ぎ落とし，必要な部分のみを抽出することでデータを圧縮でき，また情報も失わない可逆圧縮を達成できる．この圧縮法は，インデックス生成関数や分類関数という論理関数における関数分解法に帰着できることを突き止め，分解法の応用および分解法の改善に成功した．分解法のハードウェア化の検討までには至らなかったが，分解法の理論的な解明により，これまでよりも効率良く最適化（データ圧縮）が行えることを確認した．また，分解により得られるメモリベースハードウェアは，圧縮後のデータをそのまま不正侵入検知に利用可能であることも分かり，アーキテクチャの改善にも成功した．
２．セキュアなハードウェア設計に向けた検討
セキュアなハードウェアを設計するには，推測不可能なカギで暗号化することが求められ，鍵を推測不可能にするには，規則性がなくランダム性が高いことが求められる．そこで，データ圧縮と並行して，規則性を持たない論理関数である最大非対称関数の生成に着手した．当該関数の理論的な分析を経て，関数を自由に生成できるアルゴリズムの開発に成功した．開発したアルゴリズムを暗号化の鍵生成に応用することで，より強固な暗号化が可能になり，セキュアなハードウェアの設計に繋げることができる．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は当初の計画通り進めようと試みたが，2020年度は計画時に想定できなかったことが多数起こった．2020年度から副学部長（教務担当）に任命されたため，学部運営として授業等の新型コロナ対策に時間が取られただけでなく，学会運営においても，新しい生活様式に対応するため研究会活動のオンライン化などに時間が取られ，研究活動に十分な時間を割くことができなかった．また，自宅からのテレワークが求められたため，研究機材を思うように利用できなかった上に，研究協力者（特に海外協力者）との打合せも十分に行えず，満足の行く活動ができなかった．
しかし，限られた時間の中でも，研究機材を必要としない理論解析などは一人で進めることができたので，「研究実績の概要」の欄で述べた成果が得られ，研究の進み具合としては「やや遅れ気味」と判断している．
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| Strategy for Future Research Activity |
研究計画時には想定できなかったことが起こり，研究の進捗状況はやや遅れ気味ではあるものの，遅れているのは機材の利用が必要な研究（アイデアのハードウェア実装など）であり，理論的な解析については当初の予定より深く行うことができたため，むしろ計画より進展しているとも言える．また，新しい生活様式に馴染みつつあり，機材を使う研究も行える体制が整いつつある．時間の確保がやや難しいものの研究計画の巻き返しは可能な範囲であるため，当初の研究計画はそのままに今後の内容を進めたい．
そのために，2020年度は滞ってしまったが，研究協力者とのオンラインでの打合せやオンラインでの情報収集が行える環境整備から着手し，遅れの巻き返しを図りたい．
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| Causes of Carryover |
理由：
2020年度は急遽任命された副学部長（教務担当）としての業務（授業等の新型コロナ対策）や学会運営のオンライン化などに時間が取られ，研究活動に十分な時間を割くことができなかっただけでなく，緊急事態宣言により移動が制限され当初予定していた情報収集や研究協力者（特に海外協力者）との打合せも十分に行えなかった．そのため，旅費や国際会議等への参加費を執行できず残額として生じてしまった．
使用計画：
残金は次年度の予算と合算して，新しい生活様式における研究協力者とのオンラインでの打合せやオンラインでの情報収集が行える環境整備などに利用し，研究の円滑な遂行に努める．
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