2021 Fiscal Year Research-status Report
問合せ解像度に基づいた情報交換・公開フレームワークの開発
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19K11912
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 南山大学, 理工学部, 教授 (00263434)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | データ交換 / 情報公開ポリシー / 問合せ解像度 / CQ-rewriting |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,南山大学理工学部の大学院生1名の協力を得て,理論的側面に関して研究を進めた.具体的には,2020年度に研究代表者が国際ワークショップで提案・発表した,適切なターゲット側ポリシの形式的定義とそれを導出するヒューリスティックアルゴリズムをベースラインとして,入力がどのような制約を満たしていればそのヒューリスティックアルゴリズムが正しく動作するかを検討した.ここでポリシが適切であるとは,ポリシが秘匿性(ターゲット側ポリシが公開する情報はソース側ポリシが公開する情報のみである)と可用性(ターゲット側ポリシは秘匿性を満たす範囲でできるだけ多くの情報を公開する)の両方をもつことと定義している.検討の結果,ヒューリスティックアルゴリズムで導出されたポリシが可用性をもつことを証明するのは困難であるという結論に至った.そこで,「適切なポリシ」の概念を緩めた「弱適切なポリシ」という概念を新たに定義した.弱適切なポリシとは,秘匿性をもち,かつ何らかの情報を公開するポリシである.そして,ソース側ポリシが自己結合なし,データ交換メカニズムが結合なしという制約を満たしている場合,ヒューリスティックアルゴリズムが弱適切なポリシの存在を判定でき,かつ存在する場合はそれを導出できることを証明した.さらに,このヒューリスティックアルゴリズムとは異なるアルゴリズムを提案し,それが弱適切なポリシの存在を判定できるための十分条件も与えた.これらの成果は2022年3月に電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的側面についてはある一定の成果が得られたが,実装評価の側面については進捗が思わしくない.2021年度はこの側面に協力してくれる学生を確保できなかったことが大きく影響している.
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Strategy for Future Research Activity |
実装評価の側面を強く推進するために,ヒューリスティックアルゴリズムの詳細設計(あるいはプロトタイプ実装まで)を研究代表者自身が行い,その上で協力してくれる学生の確保を目指す.理論的成果の拡張も引き続き行う.
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Causes of Carryover |
2020年度当初に理論的検討をやり直したことと,COVID-19の影響で海外旅費として計上していた額が多く残っていることが理由で,次年度使用額が生じている.使用計画としては,まず,実装評価の側面を加速させるために実装用PCを購入することを考えている.理論的側面の拡張や発展的課題の発見のために図書も購入する.また,2021年度に得られた成果を学術雑誌に投稿する予定であり,年度内に採択されればその掲載料の支払いに充てる.
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Research Products
(1 results)