2022 Fiscal Year Research-status Report
問合せ解像度に基づいた情報交換・公開フレームワークの開発
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19K11912
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 南山大学, 理工学部, 教授 (00263434)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | データ交換 / 情報公開ポリシー / 問合せ解像度 / CQ-rewriting |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,主として,前年度までに得られた理論的成果を雑誌論文としてまとめる作業と,理論的成果を実装して実用面からの評価を行う研究に取り組んだ.前者については,成果をまとめた論文が電子情報通信学会論文誌Dに採録となり,2023年4月に公刊された.その内容は,あるクラスに属するソース側ポリシとデータ交換メカニズムを入力として,「弱適切」なターゲット側ポリシが存在するかを判定し,存在するならそれを導出するアルゴリズムの提案である.提案したアルゴリズムは,ターゲット側ポリシの候補を総当たり的に生成して弱適切かどうかを判定するものであり,実用場面での実行時間の評価が課題として残っていた.後者については,以上のような動機のもと,研究室学生の協力を得て,論文発表したアルゴリズムの実装と性能評価を行ったものである.一般的なノートPC上で提案アルゴリズムをPythonとPrologで実装し,ソース側ポリシを表す問合せの引数の個数を増加させたときの実行時間を調査した.その結果,引数が5個以下の場合には処理は数分で完了したものの,6個以上にするとメモリ不足が原因と思われるエラーにより実行が完了しなかった.ターゲット側ポリシの候補1つあたりにかかる処理時間からの推測により,十分なメモリをもつPCを使えば,引数8個程度までなら実用的といえる時間内に処理が完了するという結論が得られた.実装したプログラムの洗練化や,ソース側ポリシの引数の個数以外のパラメータを動かしたときの実行時間の調査などが今後の課題として残されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
弱適切なポリシの存在を正確に判定できる問題クラスと判定アルゴリズムを提案し,実行時間の評価もある程度行えた.
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Strategy for Future Research Activity |
弱適切なターゲット側ポリシの存在判定が難しい最大の理由は,ターゲット側ポリシの候補を探索する空間をうまく有限に絞れない(絞れたとしても組合せ爆発が起きる)という点である.2023年度以降は,SMTソルバを利用することで,この問題が実用上解ける範囲を拡大することを試みる.
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Causes of Carryover |
2020年度当初に理論的検討をやり直したことと,COVID-19の影響で海外旅費として計上していた額が多く残っていることが理由で,次年度使用額が生じている.2023年度は,SMTソルバを利用する研究を,学生の協力を得ながら効率よく実施できるよう,計算機環境を整える.さらに,コロナ禍も明けつつあるため,中間的な成果であっても積極的に対外発表する予定である.
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Research Products
(2 results)