2020 Fiscal Year Research-status Report
Beyond 5Gのためのモバイルコアネットワークアーキテクチャの確立
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19K11922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 剛 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00294009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 5G / Beyond 5G / モバイルコアネットワーク / Internet of Things (IoT) |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯電話加入者数の増加や高機能なスマートフォン等の普及により,モバイルネットワークにおいて,ユーザプレーンとコントロールプレーンの双方において発生する輻輳への対応が課題となっている.特にコントロールプレーンの輻輳については,新たな需要拡大を伴う通信形態であるMachine-to-Machine (M2M) 通信やIoT (Internet of Things) 通信による影響が大きいと指摘されている.M2M/IoT通信は,通信するデータ量そのものは多くはないが,端末数が膨大になるとされており,その通信特性はユーザ端末のそれとは大きく異なる.そのため,M2M/IoT通信を行う端末を従来端末と同じ方式でモバイルネットワークに接続すると,特にコントロールプレーンの輻輳が悪化すると考えられる.
本年度の研究においては、では,セルラIoT通信を考慮したモバイルセルラネットワークの性能解析を行うことで,端末収容能力の評価を行った.具体的には,IoTのためのセルラ通信としてLTE及びNB-IoTを対象とし,端末がアイドル状態からアクティブ状態になり,通信を行うまでの一連の動作における,制御プレーン及びユーザプレーンの性能解析を行った.解析はランダムアクセス手順,無線資源の割当,ベアラ確立,データ転送の各プロセスを含むエンドツーエンドで行った.また,IoT通信に多いサイズの小さなデータ通信において有効と考えられる,データ転送終了後直ちに無線資源を解放する手法の評価を行った.評価の結果,NB-IoTがLTEに比べて最大で8.7倍の端末を収容できるが,データ転送時間が大きいことを示した.また,無線資源の即時開放によってネットワーク容量が最大で17.7倍に拡大し,IoT端末の収容に効果的であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はモバイルコアネットワークのノードの資源配置だけではなく、無線アクセスネットワーク部分のランダムアクセス、資源確保部分の資源消費、シグナリング遅延についても検討を行うことができた。その結果、無線アクセスネットワーク部分およびコアネットワークノードの両方のボトルネックを考慮した性能評価や性能最適化が可能となり、現在のセルラネットワークでは適用されていない無線ネットワーク資源の即時開放の効果を評価することができた。無線アクセス部分の検討を深めることができたことから、計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2019, 2020年度の検討を踏まえ、さらにモバイルコアネットワークより上位ネットワークも含めたエンドツーエンドでのネットワークスライシング環境を想定し、リソース確保、スライス構築、ユーザ収容の効率を高める手法を検討する予定である。 現在その基本的なアイデアについて予備検討を行っており、全体アーキテクチャ、性能評価シナリオ、実装評価方針などについて考察している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため海外出張費を使用できなかったため。 次年度においてエンドツーエンドのモバイルネットワークのアーキテクチャについて検討し、その性能評価を行う予定にしている。そのためのコンピューティング資源等の購入のために使用する計画である。
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Research Products
(3 results)