2022 Fiscal Year Annual Research Report
データセンターネットワークにおけるスループット急落の回避に関する研究
Project/Area Number |
19K11926
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横平 徳美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (50220562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 行信 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (00432625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報ネットワーク / データセンターネットワーク / インキャスト |
Outline of Annual Research Achievements |
分散ファイルシステムを採用している最近のデータセンターのネットワークにおいては、多数のサーバが、ほぼ同時に(並列に)、1台のコンピュータ(クライアント)に向けてデータを送信しようとすることがしばしば起こる。このとき、スイッチのポートにおいてバッファーオーバーフローが起こり、スループットが0に近い値に急落するという最悪の状況(インキャスト)が起こってしまうことがある。本研究の目的は、分散ファイルシステムにおいて、各サーバのデータ送信終了時間の公平性を気にする必要はなく、全サーバがデータ送信を終了するための時間が重要であることに着目して、サーバからのデータ送信を直列化することにより、インキャストを回避しつつスループットを最大にする方法を考案し、実際に実験ネットワークでその有効性を実証することである。 2022年度は、データセンターネットワークにおける各リンクの伝送速度、スイッチのポートバッファサイズ、サーバからの送信データ量等が与えられた時、インキャストを回避し、かつ、スループットを最大化できる同時設定(同時に並列化できる)コネクション数を求めることができる方法(拡張コネクション直列化法)の有効性に関して、2021年度に引き続いて検証した上で、2022年度は、この方法を、実際のデータセンターネット上で動作できるようにするための検討を行った。 また、高精度のカーネルタイマーを使用して、最小タイムアウト値を従来の200ミリ秒から数100マイクロ秒にすることにより、インキャストを回避しようとする従来の方法をベースとして、クライアントからサーバに再送要求を出すことで、インキャスト回避の可能性を高くできる方法を2019年度に提案し、2020年度と2021年度はこの方法を改良した上で、2022年度は、この方法を、実際のデータセンターネット上で動作できるようにするための検討を行った。
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