2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K11934
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
谷口 義明 近畿大学, 理工学部, 准教授 (50532579)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水中通信 / 養殖場 / センサネットワーク / モニタリング / DTN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、養殖魚に装着した生体センサ、生簀や海中に設置した環境センサ、水中ロボットに取り付けたセンサ等で計測した情報を収集する養殖場モニタリングシステムを実現するための水中通信技術を検討、開発することを目的としている。 主な成果を以下に述べる。本年度は、昨年度から引き続き、養殖魚に取り付けた端末に装着されたLEDと水中に設置した全方位カメラを用いて可視光通信により情報収集を行う手法を検討し、試作機の開発を進めた。また、昨年度から引き続き、無線通信機能を持つ市販環境センサ端末を水中で使用するための、無線通信・音響通信の変換送受信技術の検討を行った。無線通信としてBLEを対象とした場合の試作機を開発と実証実験結果について、国際会議で発表を行った。さらに、養殖魚に取り付けたセンサの長期稼働のために、養殖魚の振動を電力に変換するエネルギーハーベスティング素子を導入した場合の養殖魚モニタリングシステムに関する検討を開始した。シミュレーション評価により萌芽的な結果が得られており、成果を国内学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から養殖魚に取り付けられたセンサ端末から可視光通信を用いて魚の生体情報を収集する技術、無線通信機能を持つ市販環境センサ端末を水中で使用するための、無線通信・音響通信の変換送受信技術の2つについてある程度の検討を行っている。また、いずれも試作機の開発や、初期的な評価を終え、一部については学会等において発表を行っている。特に、可視光通信を用いた情報通信手法については学術論文誌に掲載されており、無線通信・音響通信の変換送受信技術についても査読付き国際会議で発表している。以上より、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに検討した通信技術や試作したシステムを改良すると共に評価を拡充させ、得られた成果を積極的に発表することを予定している。また、今年度から検討を開始したエネルギーハーベスティングを考慮した通信技術についても、検討を進め、養殖魚モニタリング環境に適した通信手法を確立する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、今年度はすべての出張が中止となり、主に旅費として計画していた分を中心として予算に残額が生じた。 次年度以降は研究協力者である大学院生が増加する見込みであり、研究実施や研究発表を積極的に行うことを予定している。今年度の残額は、それらの費用(研究消耗品、旅費、参加費、論文掲載料等)として充てる予定である。
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