2019 Fiscal Year Research-status Report
プロトコルの詳細な振舞いを考慮した機械学習によるTCPトラヒックの解析・制御
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19K11938
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加藤 聰彦 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90345421)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機械学習 / ニューラルネットワーク / TCP / 輻輳制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
双方向のTCP通信ログの情報を用いて、再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)によりTCP通信の輻輳制御方式を推定する方式を考案し、Linuxオペレーティングシステムに実装された10の輻輳制御アルゴリズムに適用した。具体的は方法は以下の通り。(1)通信ログのデータとACKセグメントの対応を取り、シーケンス番号、ACK番号、タイムスタンプオプションから、往復遅延時間内に受信応答なしで送信されているデータ量を推定し、その値を輻輳ウィンドウサイズ(cwnd)とする。(2)再送されていない時間範囲で、cwndの時間変化を計算する。(3)その結果をRNNの入力とし、出力を輻輳制御アルゴリズムの識別子とする。(4)RNNの訓練データとして、輻輳制御アルゴリズムごとに400の入力(全体で4000入力)を用意し、またテストデータとして、アルゴリズムごとに400の入力を用意し、訓練とテストを行った。対象としたアルゴリズムは、Reno、HighSpeed、Scalable、BIC、CUBIC、Hamilton、Westwood、Vegas、Veno、BBRである。 結果は以下の通りである。(a) BIC、CUBIC、Hamilton、BBRはほぼ100%の割合で区別可能であった。、(b) HighSpeedとScalableは互いに混同して推定された。これは両者が遅延の大きな高速ネットワークを想定して初期に設定されたもので、cwndの増加の方法が類似しているためである。(c) Reno、Westwood、Vegas、Venoが混同して推定された。これらはcwndの増加にAdditive Increaseを採用しており、この結果はやむを得ないと考えられる。(d) 上記の混合したものをグループ化すると、アルゴリズムの推定がうまくいった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績の概要にも述べたように、RNNを用いた双方向の通信ログからのTCPの輻輳制御アルゴリズムの推定に関する研究を進めた。現在Linuxオペレーティングシステムに実装されている代表的アルゴリズムの10を対象として、通信ログの情報から、輻輳ウィンドウの増加部分の時間変化を求め、そのデータをRNNの入力とすることにより、効果的な推定が可能であることを示した。この結果を、国際会議16th International Joint Conference on e-Business and Telecommunications (ICETE 2019)の内のDCNET (International Conference on Data Communication Networking)に発表した。さらに、情報処理学会論文誌に投稿し採録された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、引き続き、ニューラルネットワークを用いたTCP輻輳制御アルゴリズムの推定に関する研究を進める。昨年度は対象とするデータを、自ら用意したサーバと研究室内のネットワークを用いて作成したが、今年度は実際の外部のサーバにアクセスしたデータを用いる。また、昨年度は輻輳ウィンドウの増加部分にのみ着目したが、今年度は輻輳ウィンドウの減少も考慮したアルゴリズムを考案する。現実のインターネットで使用されているトラヒックを用いた研究を行いたい。
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Causes of Carryover |
実験用のパーソナルコンピュータを研究室使用のもので代用したため。次年度使用額は今年度の学会参加費などに充填する。
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