2022 Fiscal Year Annual Research Report
プロトコルの詳細な振舞いを考慮した機械学習によるTCPトラヒックの解析・制御
Project/Area Number |
19K11938
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加藤 聰彦 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (90345421)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / ニューラルネットワーク / ディープラーニング / TCP / 輻輳制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューラルネットワークを用いてTCP輻輳制御アルゴリズムを推定する方式の検討を行った。具体的な成果は以下の通りである。 ・パケットキャプチャを行ったTCPセグメントの情報から、輻輳ウィンドウの時間的変化を観測データとして、リカレントニューラルネットワークを用いて対応する輻輳制御方式を推定する識別器を作成した。この場合は中間層を1層とした。その結果、13種類の輻輳制御方式を識別できることを確認した。ただし、Reno/Vegas/Veno、HighSpeed/Scalableという類似のアルゴリズムの区別には課題が残った。 ・上記の識別器の問題点を解決するために、中間層を3層としたディープリカレントニューラルネットワークによる輻輳制御方式の識別器を作成した。併せてハイパーパラメータの最適化も行った。その結果、13種類の輻輳制御方式のすべてを識別することが可能となった。 ・これまでに実験は、研究室内に構築した実験ネットワークを用いて識別器のトレーニング/輻輳制御方式の推定試験を行った。続いて、作成した識別器を用いてインターネットに接続された一般のサーバの輻輳制御方式の推定を行った。この実験では、研究室内のネットワーク環境を用いて識別器を学習させ、それを用いてインターネットの代表的なサーバ2000個を対象としてその輻輳制御方式を推定した。学習においては、クライアントとサーバの往復遅延時間を複数導入した。また推定の対象とするサーバは、Amazon Web Services社が公表するAlexa Top Sitesを参考にした。その結果はテスト系列を用いたアクティブ方式を用いた輻輳制御方式の推定研究と類似のものとなり、提案する方式の有効性が確認された。
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