2020 Fiscal Year Research-status Report
IPv6アドレス範囲割当及び組織内動的経路制御への利用者区別可能な認証機構の導入
Project/Area Number |
19K11943
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大平 健司 大阪大学, 情報推進本部, 講師 (40515326)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | IPv6 / OSPFv3 / PKI / 経路制御 / 正統性検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容:研究代表者の所属研究機関である大阪大学においては、従来SINETから/48のIPv6アドレス空間を得ていたものの、キャンパスネットワーク内へのルーティングはほとんど行われていない状況であった。また、実際に学内展開するにあたっての運用ルールも未整備の状態であった。令和2年度においては、実際にインターネットに到達可能なグローバルIPv6アドレスを所属研究機関のキャンパスネットワークにおいて安全に展開するための技術的整備及び運用ルールの整備を行った。 意義:本研究においては「内部的に3階層以上の分散管理されたサブネットワーク」を研究対象としているところ、IPv6アドレスにおいては4ビット単位で区切るのが管理上好都合であることから、/64のサブネットを4ビット単位で3階層、すなわち/52規模のIPv6アドレス空間が最低限必要となる。上記具体的内容の実施により、本研究用途にインターネット到達性のあるグローバルIPv6空間を/52得ることができた。 重要性:研究代表者の所属する研究機関で実際に使用されているネットワーク環境を用いて本提案研究を展開することは、本研究の背景として挙げた、大学のキャンパスネットワーク特有の歴史的経緯やその他各種事情とそれらに端を発する、現状の実際のキャンパスネットワーク管理(追跡・検証)体制・法令その他学内規則・学生の自己所有機器持ち込みをはじめとする運用状況によく適合した方式の提案につながるものと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
交付申請書において補助事業期間中の研究実施計画として令和3年度中に「拡張方式の試験実装を概ね完了」するとしていたが、COVID-19の影響により研究外の用務量の増大など研究環境が大きく悪化し、「拡張方式の試験実装」の進捗が予定より遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に記載の通り、本研究用途にインターネット到達性のあるグローバルIPv6空間を/52得ることができた。また、令和2年度後半には研究開発のための機材環境を増強することができた。これらを用いて本研究を推進する。なお、令和3年度中に可能な限り遅れを取り戻す予定ではあるが、研究期間の延長も考慮に入れる必要があると考えている。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響により研究外の用務量の増大など研究環境が大きく悪化し、研究進捗を著しく滞らせることとなった。令和2年度において移動制限が繰り返し行われたことから外国旅費はもとより国内旅費についても全く執行目途が立たなかった。物品購入についても特に年度前半については職場への出勤も抑制が求められたことなどから執行が不十分な結果となった。令和3年度中に可能な限り遅れを取り戻す予定ではあるが、研究期間の延長も考慮に入れる必要があると考えている。
|