2021 Fiscal Year Research-status Report
ICTシステムへの潜在需要の推定および潜在需要に基づくリソース設計制御方式の研究
Project/Area Number |
19K11946
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
石橋 圭介 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (20710271)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 因果推論 / トラフィック潜在化検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット上の通信が輻輳などにより品質劣化が発生した場合に、ユーザの通信行動変化やアプリケーションのデータ削減などの反応によるトラフィック潜在化に関して、潜在化メカニズム解明及び潜在トラフィックを考慮したネットワーク設計・制御方式の確立を目指している。 昨年度までに潜在トラフィックを考慮したネットワーク設計・制御方式を確立した。今年度は潜在化メカニズムの解明に向けて、まずトラフィックと品質劣化の時系列データからのトラフィック潜在化検出可能性を検討した。ここでトラフィック潜在化の検出とは、品質劣化事象が原因となってトラフィック減少事象を発生させている状況を因果関係として検出することを指し、因果推論の手法を適用することによって検出できる可能性がある。しかしながら品質劣化によるトラフィック減少発生は、通常の因果推論において前提となる非巡回性、非確定性などの条件を満たさず、因果推論の手法適用は困難であった。ここで、1)トラフィック増加による品質劣化と品質劣化によるトラフィック潜在化のタイムスケールが異なる、2)品質劣化が単一トラフィック源でなく、複数トラフィック源によって引き起こされるという2条件を満たす場合は、上記状況でもとして検出可能であることを示し、シミュレーションにより確認した。これらの検討結果について学会発表1件を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初最終年度までに検討する予定であった、ネットワーク設計・制御方式の検討をほぼ完了したため。一方で実データ分析によるトラフィック潜在化メカニズム推定は、実データが入手できず検討を開始できていないため、トラフィック潜在化検出可能性の理論的検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度着手したトラフィック潜在化検出可能性の理論的検討を進める。
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Causes of Carryover |
実データ分析用をサーバ購入の予定であったが、実データが入手できないため、サーバ購入を取りやめ、次年度理論的検討に必要な計算機を購入する。
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