2020 Fiscal Year Research-status Report
カオス理論と待ち行列理論を融合した超長距離伝送の低遅延を実現する動的資源割当方式
Project/Area Number |
19K11947
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 純子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90633909)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | LRPON / 待ち行列理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,カオス理論を用いてLR-PONにおけるトラヒックの負荷の推定し,待ち行列理論を用いて,推定されたトラヒックに対して使用効率をあげつつ,平均遅延時間を減少させる新たなパケット新たな帯域割当方式を期間内に実現することである. 本研究で対象にしているEPONの光アクセスネットワークは,住宅が密集している日本のアクセスネッワークの大部分で使用されることで発展してきた技術であり,日本が研究のリードを続けている.このEPONを用いた大規模システムであるLR-PONは,海外の住宅があまり密集していない地域でも使用できるため,国際的に今後活用が注目されている.しかし,システムが大規模になればなるほど,システム構築を最適化するパラメータを決定するのは複雑な問題となる.近年盛んに研究されている機械学習の利用では,一般に,長期的な予測しかできないため,実システムにそのまま応用するのは難しい. 本研究では,このような大規模かつ複雑なシステムに対して,(1) カオス理論を用いて規則性を発見し,その規則性により短期的なトラヒック予測を行いながら,(2) パケットの遅延時間が最小となるネットワーク資源割当の最適値を待ち行列理論を用いて導出する. (1)におけるトラヒック推定は,近年盛んに研究が進められている分野である機械学習とは異なり,超短期的な予測が可能となる. このような新たな観点からのLR-PON資源割当方式を設計するアプローチは,他に類を見ず極めて独創的な研究である.さらに,LR-PON特有の問題である,伝搬遅延が大きくなることが原因で生じる遊休区間に着目することで,待ち行列理論のポーリングモデルにうまく適用することができることを用いて解析を進める予定であり,LR-PONの大枠を大きく変えずに実現可能であるため,これは創造性に優れているといえる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LRPONの基礎的なシステムである,EPONについて,ポーリングの配送順番によって評価値の平均遅延時間が大きく変化することが明らかとなり,その解析を行う ことができたため. また,カオス理論を用いるための基礎検討として,トラヒック量推定方式をカオス理論を用いて行い,その結果,高精度にトラヒック予測を行うことが可能となったため,
|
Strategy for Future Research Activity |
ポーリング配送順番によってEPONの平均遅延時間が異なることが明らかとなったため,その配送順序を考慮した帯域割当方式に関して解析を進める予定である.さらに,その知見をLRPONに応用予定である.さらに,カオス理論を用いて 解析したトラヒック量解析方式について,PONの帯域割当方式に拡張することを考えていく予定である.
|
Causes of Carryover |
コロナの影響で、学会出張が無くなったため。また、カオス理論のトラヒック量推定方式をPONに拡張させる際に、配送順番が解析に影響があることが明らかとなり、その解析作業に時間を要したため。
|
Research Products
(17 results)