2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on Metabolic Communication Networking Technology
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19K11948
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
村山 純一 東海大学, 情報通信学部, 教授 (10723702)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 通信ネットワーク / 標的型攻撃 / 経路ハイジャック / 仮想ネットワーク / ネットワーク切り替え |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、ネットワークに潜伏する検知困難なマルウェアを駆除することにある。ネットワークを仮想化し、生成・消滅を繰り返しつつ、これらを切り替えていくアプローチで取り組む。この際、通信を切断させず、通信サービスの提供を継続し続けることが主要な課題となる。2019年度の主要な実績は、次の2点である。 [実績1] 研究の出発点として、ネットワーク切り替えの問題を、ルータ切り替えの問題に置き換えて検討を行った。具体的には、仮想ルータの生成・消滅を繰り返しながら、仮想ルータを無瞬断で切り替えていく方式を提案した。この際、基盤技術として、ルータの故障切り替え技術(VRRP)に着目した。この技術を拡張することで、無瞬断でのルータ切り替えを半永久的に繰り返すことを実現した。本件については、概念的なコンセプト提案と具体的な方式提案について、それぞれを電子情報通信学会のソサイエティ大会(9月開催)と情報ネットワーク研究会(3月開催)において発表した。 [実績2] ネットワーク切り替え時の設定情報の継承も、通信サービス継続の実現に向けて重要な課題である。本件でも上述の件と同様に、初期ステップとして、ルータ切り替え時の問題に焦点を当て、設定情報継承の検討を行った。具体的には、切り替え対象のルータとは独立に、サーバを設置してルータ設定情報を管理する技術を提案した。サーバをルータから切り離すことで、サーバへのマルウェア感染を回避できる。また、ルータ内に潜伏するマルウェアが、ルータ内の設定情報を改竄したとしても、ルータ切り替え時に元に戻すことができる。本件についても、概念的なコンセプト提案と具体的な方式提案について、それぞれを電子情報通信学会のソサイエティ大会(9月開催)と情報ネットワーク研究会(3月開催)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的は、通信サービスを継続しつつ、ネットワークに潜伏する検知困難なマルウェアを駆除することにある。次の4つの課題を、4年間で解決することにより、最終目的を達成する計画である。[課題1] 故障切り替え技術を参考とした仮想ネットワークの割り当て形態の研究、[課題2] モバイル通信技術を参考とした異種の仮想ネットワーク割り当て手法の研究、[課題3] 仮想マシン技術を参考とした仮想ネットワークの生成・消滅順序の研究、[課題4] ルートサーバ技術を参考とした仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法の研究 2019年度は、[課題1]および[課題4]について、それぞれ目標の50%まで取り組んだ。各項目とも1年分の課題に相当するため、全体の進捗度としては1年分の100%に相当する。なお、検討順序を見直した理由は、早期に最終目標の達成見通しを得るためである。各課題の進捗内容は次の通りである。 [課題1] 方式設計を具体化するためのステップとして、無瞬断でのネットワーク切り替えの問題を、無瞬断でのルータ切り替えの問題に置き換えて検討を行った。今後、ルータ切り替え技術をネットワーク切り替え技術へ拡張する予定である。このため、本課題の進捗率は50%である。 [課題4] 方式設計を具体化するためのステップとして、ネットワーク切り替え時の設定情報の継承問題を、ルータ切り替え時の設定情報の継承問題に置き換えて検討を行った。今後、ルータ情報の継承技術をネットワーク情報の継承技術へ拡張する予定である。このため、本課題の進捗率は50%である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、次の4つの課題を、4年間で解決する計画である。[課題1] 故障切り替え技術を参考とした仮想ネットワークの割り当て形態の研究、[課題2] モバイル通信技術を参考とした異種の仮想ネットワーク割り当て手法の研究、[課題3] 仮想マシン技術を参考とした仮想ネットワークの生成・消滅順序の研究、[課題4] ルートサーバ技術を参考とした仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法の研究 2019年度は、[課題1]および[課題4]について、それぞれ目標の50%まで取り組んだ。このため、2020年度は、引き続き[課題1]および[課題4]の残りについて取り組む予定である。残課題となる[課題2]と[課題3]については、2021年度以降に取り組む予定である。 課題への取り組み順序を一部入れ替えてはいるが、全体としては当初計画通りに進捗させていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究成果の発表および聴講を予定していた口頭発表会が急遽中止された。これに関して、出張旅費のキャンセル精算を行った。この結果、剰余金が発生した。 当該の発表会は電子情報通信学会・情報ネットワーク研究会および併設ワークショップ(3月開催)である。口頭発表会は中止されたが、投稿した論文の受理と公開をもって、会合自体は成立した。 今年度に発生した剰余金は、次年度において、研究成果発表に関わる出張旅費に充当する予定である。
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