2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of CAPTCHA to realize barrier free
Project/Area Number |
19K11957
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 健 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (00349797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CAPTCHA / バリアフリー型 / 認証技術 / 情報アクセシビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視覚や聴覚といった人間の知覚に依存しないバリアフリー型のCAPTCHAについて取り組んだ。研究を推進するにあたり、我々は (1)知識非依存性、(2)問題新規性、(3)識別性要件について注目し、それぞれに対する解決策を提示した。(1)については、一般的に常識とされる文意や文脈を解釈する問題を用いた。この種の問題は、文字情報として提示できればよいため、利用者の希望する知覚で情報を伝達できるという利点がある。(2)については、ウェブ上にある大量の文章を作問の種とすることで、常に新しい問題を生成した。問題の使い回しを避けることで、ロボットによる解答集を用いた攻撃に対抗した。この方法は、少量の秘匿文章を用いる既存の方式では達成できない。一方で、公開された文章を利用するため、ロボットが検索によって解答のヒントを得る危険がある。また我々が設定した(3)の要件を満たさなくなるという問題も発生する。この対策として、我々は問題として提示する文の子音を改変した。改変された文は形態素解析が正しく行われないため、音声認識などによる文の復元が困難である。また元の文が秘匿されるため、ロボットが提案方式を検索により攻撃することは困難となる。本研究では具体的な文意や文脈の解釈問題として、(a)ワードサラダ文と自然文の識別、(b)機械翻訳文と自然文の識別、(c)文章に共通する話題の識別、といった方式を提案した。さらに、これらのプログラムを実装することにより、被験者によるチューリングテストとしての能力、問題新規性や検索攻撃への耐性、について評価を行った。
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