2022 Fiscal Year Research-status Report
適応型学習環境における学習者のプライバシを保護する学習履歴管理基盤
Project/Area Number |
19K11978
|
Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 知恵美 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (20362832)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 学習データ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
教材動画を用いた自己学習環境において字幕データと動画視聴履歴から学習者が理解に苦労した箇所の検出を行う仕組みを提案する。自己学習の流れとして、一通り動画を視聴したのち内容を学習者視点でまとめ、動画に対応する問題を解くという流れで行う。動画の文字起こしデータを用いて動画の内容を学習項目ごとにセグメンテーションし、それぞれの動画セグメントに対して理解度スコアを計算する。理解度スコアは自己学習の各フェーズにかかった作業時間と動画の視聴回数を合わせて計算することで、何度も見返し作業に苦心した箇所を検出する。また、大学数学のYoutube動画を用いて予備実験を行い、動画視聴履歴の傾向を分析した結果、こまめな動画の一時停止や問題解答時の長時間の停止状態など特徴的な傾向を見つけることができた。 本年度は個人情報保護技術を適用する前段階として、動画閲覧履歴のクリックストリームデータを対象に閲覧者の理解度分析を行うシステムを開発した。ここで用いられる個人情報データとしては、クリックストリームデータと理解度の紐付けを行うテスト結果である。分析結果として求めるものは理解度に影響の高い閲覧パターンであるため、それ以外の個別の情報を提供しないよう保護する必要がある。申請時点では暗号化データベース技術を用いて実現すると記述していたが、近年の研究動向等を踏まえた上で連合学習技術を適用するのが適切ではないかと考え、現在クリックストリームデータの保護を行うためにこのシステムを連合学習を用いて実装することを検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
個人情報保護技術と適用する応用先としての教育データ分析環境の実装をおこなった。 しかしながらここに個人情報保護技術を適用するところには至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度提案した動画閲覧ログ(クリックストリーム)に対する生徒の理解度分析システムの詳細な実装を行うとともに、これを連合学習によって作成することで生徒の進捗状況の保護を実現しながらデータ分析を行えるようにする。
|
Causes of Carryover |
研究進捗の遅れ及び新型コロナ感染症対策の影響により、国内会議及び国際会議への発表を行うことができず国際会議への旅費や参加費等に利用することができなかったため。
|