2019 Fiscal Year Research-status Report
津波ディジタルライブラリィを基盤とした防災教育支援システムの構築
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19K11984
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
今井 さやか 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (30332555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ディジタルライブラリィ / 津波災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、津波災害に関するあらゆる研究活動、今後も津波災害が想定される地域での防災計画立案、防災教育など、過去の災害情報を必要とするあらゆる場面に利用される津波災害情報を様々な形で提供するディジタルアーカイブおよび支援システムを構築することにある。2002年から現在まで稼働している津波ディジタルライブラリィ(http://tsunami-dl.jp, 略称:TDL)のデジタルコンテンツをもとにシステム構築を目指している。TDLで閲覧可能な津波に関する情報は、古文書、記録集、写真集、公的機関発行の記録誌・記念誌、論文、新聞記事、撮影ビデオ、再現CG、政府の災害対策手引き・指針、津波研究者編集の解説スライド、津波被害に繰り返し襲われている土地や石碑の写真(但し、2011年東日本大震災より前の時期)など、津波災害に関するあらゆる文献・情報など多岐にわたる。 本研究課題では上記の目的のうち、津波防災教育利用に焦点を絞っている。本年はTDL検索システムの記録データのキーワードの見直し、システム設計の再検討を行ったうえで、津波災害記録の検索システムの構築を行う。1年目である本年度は、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて誰でも様々な利用につなげるために、主にTDL検索システムの記録データのキーワードの見直し、システム設計の再検討を行った。また、近年では過去に発行された報告書や論文などの電子化が進んでいることから、TDLで収集している文献などのDOIを収集し、津波災害に関連する文献のリストを作成した。また、新聞記事の検索用キーワードを再検討し、70年以上の記事に対してはテキストデータだけでなく、記事画像へもアクセス可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目である本年度は、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて誰でも様々な利用につなげるために、基本となるデータの整理を中心に進めた。そこではTDL検索システムの記録データのキーワードの見直し、システム設計の再検討を行った。TDLのコンテンツはさまざまなデータがあることから、検索キーワードについても検討を行った。さらに、過去に発行された報告書や論文などの電子化が進んでいることから、TDLで収集している文献などのDOIを収集し、津波災害に関連する文献のリストを作成した。また、新聞記事の検索用キーワードを再検討し、70年以上の記事に対してはテキストデータだけでなく、記事画像へもアクセス可能とした。さらに、近年ではTDL以外にもデジタルアーカイブが多く公開されていることから、モバイル端末で検索した結果は、TDLコンテンツと対応付けた検索なども視野に入れて検討している。また、モバイル端末向けのコンテンツの提供方法にも工夫が必要であることから、現在のモバイル端末の特徴を踏まえたデータの絞り込みや加工などを明確にし、それに対応したコンテンツの作成を行いたい。この部分は翌年度に繰り越して行うことを考えている。特に文献やデータなどは対象とする津波災害や発行年月など時間軸に対応した検索方法、および、津波被災地のGPS情報などの位置情報に対応したコンテンツをどのようにとらえて検索すべきかについて、次年度以降進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向としては、パソコン主流のTDLから、特に防災教育利用を目的としたモバイル環境をも視野に入れてTDLの津波情報検索システムの構築を行う。初めは、防災教育向けの情報をあらかじめ選んで位置情報を付与したうえで教育用コンテンツを作成し、どのようにTDLを活用したらより効果的かを確認しながらシステムを構築する。過去の研究において開発した検索システムでは、GPSやGoogle Mapを用いて、位置情報や地図情報を基にTDLのコンテンツの中から、検索をするユーザがいる野外の場所やその地域の津波災害に関連する文献の一節の要約や被害状況を検索するシステムは有用であることから、今年度の研究で得られた改良を加え、繰り返し津波被害を受けている地点に関する過去の記述を年代を追って検索するシステムの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度はTDLのコンテンツの整理およびキーワードの再検討、検索システムの改良に重点を置いて作業を行った。そのため、コンテンツに対するキーワード付与などの加工作業に対する備品の購入と作業依頼の謝金の支出の実施が遅れた。次年度に繰り越して行う予定である。また、年度末の出張を控えたため、次年度以降に繰り越すこととした。
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