2019 Fiscal Year Annual Research Report
新情報通信用デバイスの創出のための非線形固有値問題の自動求解
Project/Area Number |
19K11996
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 慎悟 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (90455098)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非線形固有値問題 / 電磁界モード解析 / 自動求解 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報通信用デバイスの自動最適設計に必要不可欠となる自動求解アルゴリズムの開発の一環として,はじめに情報通信用デバイス設計における電磁界モード解析で必要となる非線形固有値問題の求解の自動化を想定した計算パラメータの設定方針の検討を行った.計上した物品購入経費でワークステーション一式を購入し,具体的な数値計算による検討を行った.非線形固有値問題の求解法には指定した複素平面上の領域内に存在する解を高精度に求めることが可能なSakurai-Sugiura法を採用した.Sakurai-Suguira法による計算では,複素平面上の求解領域付近に関数の分岐点などの特異点がある場合に,求まる解の精度に影響を及ぼす可能性があるため,適切な計算パラメータの設定が必要となる.このため,求解に必要な計算パラメータの解への依存性を調査した.また,求解領域内に存在する解の個数を推定することで,複素平面上でのおおよその解の分布を知ることができ,効率的な自動求解を行うことが可能であるため,求解領域内の解の個数算出に関する検討も行った.本研究によって,Sakurai-Sugiura法を用いた非線形固有値問題の自動求解における計算パラメータの設定値の見通しを立てた.ここでは,求解領域の特異点の存在および位置をあらかじめ特定することが特に重要であることを明らかにした.また,求解領域内の解の個数を求める場合,非線形固有値問題の係数行列の微分演算が必要となることから,自動微分の導入が効果的であることがわかった.
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