2022 Fiscal Year Annual Research Report
High Speed FPGA Simulator for Large Scale Quantum Annealing Simulations
Project/Area Number |
19K11998
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 量子アニーリングシミュレーション / FPGA / カスタムアクセラレータ / 組合せ最適化問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では量子アニーリングシミュレーションの,(1) 高速化・大規模化(2) 性能評価,の2点に重点を置いて研究を行なった. (1) 高速化と大規模化: マルチコアCPUはFPGAやGPUと比べ圧倒的に大きいメモリ容量を持っている.そのため,CPU上での量子アニーリングの高速化も重要である.本研究ではマルチスレッドパイプラインを用いて複数トロッタースライスを並列に処理する方法を提案した.提案手法では16コアを使うことで,8倍の高速化が達成できた.また,CPUの192GBの大容量のメモリを活用することで,196,608スピンの全結合シミュレーションを達成できた.CPUのメモリを数テラバイトまで増加すると,提案の並列処理手法を活用し200万スピンのシミュレーションが可能となる.その程度の大規模シミュレーションを高速に行うことができれば,実用的な問題に応用できると思われる. (2) 本研究プロジェクトで提案した高並列シミュレーションにおける計算結果の精度について評価した.評価にはMQLibという最大カット問題が含まれているベンチマークを利用した.評価はスピン間の結合密度とスピン数を変化しながら行い,ほとんどの問題の場合はD-Wave量子アニーラの計算結果と99%一致することが確認できた.特に密結合問題,つまり結合係数が非常に多い問題に対しては提案手法が特に有効に働き,短時間で高精度な結果が得られることが分かった.本提案は全結合シミュレーションモデルの並列化に特化しているため,密結合の場合は有効になると思われる.実用的な組合せ最適化問題の中では,密結合または全結合モデルが多く存在し,そのような問題の計算量とメモリ要求量は高くて並列実装は非常に難しいと言われている.本提案手法はそのような難しい組み合わせ最適化問題を解くのに重要になると思われる.
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Research Products
(8 results)