2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the influence of ipRGC on perception of reproduced images on display device and its application
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19K12038
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀内 隆彦 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30272181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 緑 千葉大学, 国際教養学部, 助教 (40780979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ipRGC / 色再現 / 視知覚 / ディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は研究計画に基づいて、①高輝度ディスプレイを対象とした知覚への影響量の解析、②高輝度ディスプレイを対象とした色再現モデルの構築の研究に取り組んだ。 ①の実績:ipRGC の受容量の違いに対して知覚がどのように変化するかについて、高輝度ディスプレイを対象としたカラーマッチング実験によって解析を行った。前年度までに試験的に実施してきた実験環境では、マッチング対象が空間的に並置されていなかったため、単眼観察であったが、空間的に並置することによって、両眼によるカラーマッチングを実現した。実験では、最大4000lxのLED照明環境において、最大2000cd/m2のディスプレイを使用することによって、杆体の影響を排除した。5名の被験者に対する実験の結果、ipRGCの吸収帯にエネルギーを有するBlueとWhiteの刺激に対して色差が大きく、また被検者間でばらつきのある結果が得られた。 ②の実績:CIE1931のRGB等色関数は、LMSの信号が独立であることを仮定している。しかし、LMS信号は神経節細胞に到達するため、神経節細胞においてLMS信号にipRGCのバイアスがかかると仮説を立てた。そこで、従属変数を「目標のカラーパッチのCIE XYZ」とし、独立変数を「ipRGC吸収率」と「カラーマッチング後のディスプレイのCIE XYZ」として重回帰を行うことにより、ipRGCを考慮したXYZの補正式を導出した。補正式により色差の改善は見られたが、前年度までの単眼の結果と比較して十分な改善ではなかった。その原因を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、③低輝度ディスプレイを対象とした知覚への影響量の解析の課題まで実施予定であったが、本年度後半においてCOVID-19の影響により、被験者を使った実験を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の前半は、引き続きCOVID-19により被験者実験が困難となるため、前年度のデータをもとに②の解析を継続する。被験者実験が可能となったら、計画にしたがって、③低輝度ディスプレイを対象とした知覚への影響量の解析と、④低輝度ディスプレイを対象とした色再現モデルの構築を実施する。ただし、大学の実験室環境における被験者実験の再開が長引く場合には、実験システムを配布して、各被験者の一般環境におけるデータ収集を検討する。
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