2020 Fiscal Year Research-status Report
心拍や呼吸の計測信頼度を考慮したベッド上の人の睡眠状態の推定手法
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19K12042
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 一矢 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (50612165)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生体情報計測 / 呼吸計測 / 心拍計測 / 睡眠推定 / 触覚センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
柔軟面状触覚センサを用いて計測した呼吸と心拍が,どれくらい信頼できるかを評価する指標を提案した.具体的には,体圧の時系列データを周波数解析したスペクトルのSN比と触画像から寝姿勢を求める際の機械学習の尤度から信頼度の指標を定義した.さらに,提案手法の実用性を確認するために,定義した指標の値と実測した計測誤差との関係を調査した.それにより,提案した信頼度の有用性を調べた. なお,2019年度および2020年度における本研究の成果は,International Conference on Artificial Life and Robotics (ICAROB2020)などで発表した.昨年度は発表予定の学会が新型コロナウイルスの影響で中止となってしまったが,今年度はリモートによる開催が進んだおかげで問題なかった.さらに,現在は論文を投稿中である. また,研究の過程で呼吸の高調波が心拍の計測に悪影響を及ぼす場合があることを発見した.そのため,呼吸の高調波の影響を排除した心拍の計測手法を提案した.具体的には,呼吸の2倍波から4倍波までの周波数領域から基本波である呼吸信号の何割かを差し引くことで,その影響を除いている.これについても学会で発表を行っている. これらの提案手法を実装するために住友理工が開発した柔軟面状触覚センサであるSRセンサを購入した.さらに,所属する九州工業大学の「人を対象とする研究倫理審査委員会」の承認の更新を今年度も行った.同委員会の規定に従い,研究に新規に参加する学生たちにも実験内容についてきちんと説明して書面でのインフォームドコンセントを得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の欄に記載したように,現在のところ研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでに提案した呼吸と心拍の計測の信頼度の指標を用いて,実環境でも常に安定して睡眠状態を推定できる手法を開発する.呼吸数の変化や心拍数の変化から,眠りの深さを推定する手法はすでに提案されている.また,体動と睡眠状態との間に相関があることも認められている.さらに,姿勢の情報は睡眠評価に有用であると報告されている.そこで,これらの既存手法を参考にして,多種類の生体情報を統合的に用いた眠りの深さを表す指標を考案する.具体的には,各生体情報と脳波から求めた睡眠状態の真値との相関を実験で調査する.さらに,その相関の強さと計測信頼度の指標から,各生体情報の適切な重みの値を決定したい. また,提案した呼吸と心拍の計測信頼度の定義手法および関係する研究成果を,国内学会や国際学会で発表した.さらに,3年目には,学術誌において発信したい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響のため,参加した学会がオンライン開催に変更となった.そのため,学会参加費は必要だったが,旅費の支出がなかった.そのため,次年度使用額が生じた.来年度も旅費を伴う学会参加はない可能性が高いと考えられるので,その分は必要な物品を購入するなどして使用する予定である.
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Research Products
(3 results)